1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 悠治 日本電子株式会社, 技術開発, 課長
河藤 栄三 大阪大学, 工学部, 助手 (60195112)
上田 一之 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029212)
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Keywords | 阻止型CMA / 高分解能オージェ分析 / 局所表面分析 |
Research Abstract |
オージェ分析装置(JAMPー3)のCMAに新たに同心球型の阻止電位メッシュ電極2枚をとりつけることにより、高分解能のオージェ分析が可能になる。しかしこのためにはこの2枚の球型メッシュを数10ミクロンの精度以内の真円度をもたせて光軸上にとりつけねばならない。この新しい阻止電位型CMAを設計試作して、実際にJAMPー3にとりつけて一連の性能評価を行った。得られた成果は次の通りである。 (1) 2枚の同心球型メッシュ電極は100ミクロンのステンレス薄板にホトエッチングで孔をあけたものをプレス成型して製作し、これを超高波加工により10ミクロン精度で切り出したセラミックスホルダーにより固定して新しく試作したCMAにとりつけた。 (2) この同心球メッシュは金蒸着を行い、さらにセラミックス表面には半導体塗料を塗布した後高温で焼付けることにより帯電防止を実現することに成功した。 (3) JAMPー3にこの阻止型CMAをとりつけて分解能テストを行った結果、理論通りに阻止電圧を上げるに従って弾性散乱ピークが鋭くなる傾向を示し分解能と阻止電圧の間に線型特性が存在することが明確に検証出来た。 以上の成果より、本研究が目指している阻止電位系がCMAの収束光系に対して光学歪みをもたらさないで動作することが確認出来、高分解能CMA製作への確信が得られた。 今後の課題としては、同心球メッシュ電極系とCMAの光軸が僅かにづれているため最適分析点が阻止電位と共にづれていくことを改善すること、耐圧を上げて阻止電位をより高くして高分解能オージェ分析を実現することである。
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[Publications] A.Kurokawa;R.Shimizu: Surface Science. 207. 400-472 (1989)
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[Publications] A.Kurokawa;R.Shimizu;Y.Kubota;H.J.Kang: Surface and Interface Analysis. (1989)
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[Publications] K.Yoshihara;R.Shimizu et al.: Surface and Interface Analysis. 12. 125-130 (1988)
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[Publications] R.Shimizu: Surface and Interface Analysis. 11. 510-516 (1988)
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[Publications] S.Ichimura;Z.J.Ding;R.Shimizu: Surface and Interface Analysis. 13. 149-159 (1988)
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[Publications] Y.Tsubokawa;R.Shimizu;S.Hirokawa;S.Sagawa: J.Appl.Phys.63. 3319-3320 (1988)
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[Publications] 志水隆一,吉原一紘 編著: "実用オージェ電子分光法" 共立出版, 207 (1989)
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[Publications] 合志陽一,志水隆一: "実用表面分析" アグネ, 582 (1989)