1988 Fiscal Year Annual Research Report
液体水素中のキャビテーション気泡挙動測定試験とその応用研究
Project/Area Number |
63850018
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
前野 一夫 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30133606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深野 隆 日本酸素, 機械本部, 設計技術職
肥後 盛長 日本酸素, 機械本部, 設計技術職
花岡 裕 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (60002870)
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Keywords | 極低温 / 液体水素 / キャビテーション / 気泡 / レーザー照射 / パルスレーザー / 極低温流体 / クライオスタット |
Research Abstract |
本研究では、まず液体ヘリウムとの冷却熱交換および液体窒素による外周熱遮断を利用した小型水素液化クライオスタット装置の設計開発・製作を行った。特に強いパルスレーザー光(ルビーレーザー使用)のクライオスタット内部への導入と集光、および流体場の可視光用窓の設計と設置に伴って外部からの熱侵入問題が研究代表者と分担者により解決され、液体水素クライオスタットとしての作動方法が確立された。次にパルスルビーレーザー光のクライオスタット内へのレーザー光導入実験と集光実験が行われ、クライオスタット内の所定位置への集光が確かめられた。この実験において窓からの熱侵入により窓内面に発生した微小気泡に対する照射レーザーエネルギーの吸収問題が発生し、複数個のキャビテーション気泡を生成する結果を生じたが、初期液体水素温度と圧力を調整することにより、ある程度解決された。特に水素に対する加圧実験は注意を要するため、この問題に対しては今後共研究を続ける必要がある。また液体窒素のクライオスタット内保持およびアルゴン液化実験が試みられ、パルスレーザー光照射による液体窒素あるいは液化アルゴン中のキャビテーション気泡生成とその挙動観測実験が行われた。これらの液体は極低温域であり、かつクライオスタットの加圧に対しても比較的安全であるので、条件の良い気泡挙動実験が行われることが判明した。これらの極低温流体に対しては今後も多数回の実験が容易に可能となる。なお固体壁との干渉問題も次年度以降の課題となった。 液体水素を含む極低温流体中のキャビテーション気泡挙動の解析に関しては、圧縮性流体中の単一気泡の運動解析がRー12、液体窒素、液化アルゴン、液体水素などに対して実行され、主として力学的効果が明らかにされた。相変化などの熱的効果は今後の研究課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kazuo MAENO;et al.: Proceedings of the 16th International Symposium on Space Technology and Science. 787-792 (1988)
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[Publications] Kazuo MAENO;et al.: The 2nd Asian Thermophysical Properties Conference(Abstract Accepted). (1989)
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[Publications] Kazuo MAENO;el al.: The 17th International Symposium on Shock Waves and Shock Tubes(Abstract Accepted). (1989)
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[Publications] 横山真吾 他: 日本機械学会北海道支部第29回講演会講演概要集. No.882ー2. 62-63 (1988)