1989 Fiscal Year Annual Research Report
ジャ-ナル軸受動特性解析用高速高精度ソフトウェアの開発
Project/Area Number |
63850050
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 正人 東京大学, 工学部, 教授 (10011131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮池 彰 東京大学, 工学部, 助手 (20010861)
堀 幸夫 東京大学, 名誉教授 (00010588)
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Keywords | レイノルズ方程式 / 行列形式 / すべり軸受の動特性 / クロスタ-ム / バネおよび減衰係数のデ-タ・ベ-ス |
Research Abstract |
本研究の成果は、下記の様に大別できる。 (1)レイノルズ方程式の行列形式表示と解析方法の導出 油膜発生圧力を直交関数で展開することによりレイノルズ方程式を行列形式で表示出来ることを示し、これを利用して解析する方法を導出した。この方法は近似を使わずに行列形式で導き、ハ-フ・ゾンマ-フェルトの境界条件下で静的油膜反力を求めた場合、他の解析方法(たとえば差分法)と比較して同一結果を得るのに大幅な時間短縮が可能となる。 (2)レイノルズ方程式の行列形式表示によるすべり軸受の動特性解析上記(1)の方法を発展させ、すべり軸受の動特性、すなわち油膜のバネおよび減衰係数を求める方法を導いた。この方法を用いて部分円弧軸受、二溝付円軸受、三円弧軸受を例題として計算精度を他の発表されたデ-タと比較検討した結果、非常に短時間であるが高精度な結果を得られる事を示した。 (3)有限幅すべり軸受の減衰係数のクロスタ-ムに関する考察 上記(2)で示した解析方法を利用して有限幅すべり軸受の線形減衰係数のクロスタ-ムが一般に互いに等しくなる事(C_<XY>=C_<YX>、x-y座標は軸の回転面内にある任意の直交座標系)およびそのための条件を示した。 本研究によるこれらの解析方法を利用すれば、すべり軸受設計時に従来用いられていた様なバネおよび減衰係数に関するデ-タベ-スを用いずにリアルタイムに多形式の軸受を設計することが可能となる。また軸受すきま内の流れが乱流となる場合、潤滑剤の粘土が変化する場合、潤滑剤の圧縮性を考慮する場合にも本解析に若干の修正を加える事により、軸受の動特性諸量を短時間に算出できると考えられる。
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[Publications] 加藤: "レイノルズ方程式の行列形式(直交関数を用いた圧力の展開)" 日本機械学会論文集. 53C. 2380-2386 (1987)
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[Publications] 加藤: "レイノルズ方程式の行列形式表示によるジャ-ナル軸受の動特性解析" 日本機械学会論文集. 54C. 935-942 (1988)
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[Publications] Kato,T.,: "Matrix Form of Reynolds Equation(Expansion of Pressure by Orthogonal Function)" JSME Int.J.,. 31. 444-450 (1988)
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[Publications] Kato,T.: "A Fast Method for Calculating Dynamic Coefficients of Finite Width Journal Bearings With Quasi Reynolds Boundary Condition" ASME J.Tribology. 110. 387-393 (1988)
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[Publications] 加藤: "有限幅ジャ-ナル軸受の減衰係数のクロスタ-ムに関する考察" 日本機械学会論文集. 54C. 2214-2217 (1988)