1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深田 悟 九州大学, 工学部, 教授 (40110837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 隆 九州大学, 工学部, 助手 (50127958)
末岡 淳男 九州大学, 工学部, 教授 (80038083)
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Keywords | 磁気軸受 / 能動形磁気軸受 / 振動抑制 / 危険速度 / PID制御 / 観測器 |
Research Abstract |
昨年度の予備的検討を踏まえて、本年度は新しい実験装置を導入し、回転軸の曲げ振動に起因する共振を抑制して、その危険速度を通過するための本格的な検討を行った。 1.本年度用いた実験装置本体および検討した制御系の特徴は次の通りである。 (1)磁気軸受実験装置は横形で軸受部・回転軸ともに左右対称形である。 (2)軸受部と軸変位検出部とは同位置に置かれている。 (3)対称性を利用して、回転軸の曲げ振動特性を一次と二次のモ-ドに分け、それらを、それぞれ、剛体の並進運動と傾斜運動とに加えて、二つに分離した制御系を構成した。 (4)制御補償要素として、PID補償と状態観測器を応用したフィ-ドバック補償とを、それぞれ別々に用いた。 2.結果は付の通りであった。 (1)両補償要素の場合とも、一次の危険速度(約9,000rpm)を片振幅約10μmの振れ回りで、静粛に通過した。 (2)二次の危険速度(約47,000rpm)は、本実験装置の軸受部と変位検出部とが振動モ-ドの節に近いところに置かれていると見られることから、成功しなかった。 (3)二次の危険速度はジャイロ効果のために約20%高くなった。 3.危険速度通過問題を観測器を応用して成功した意義は大きいと考える。それは、アクチュエ-タ・変位検出器の位置関係で決まる振動モ-ドの特性によっては、PID補償などの簡単な直列補償法では減衰を与えて振動を抑制することが困難な場合があるからである。
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