1988 Fiscal Year Annual Research Report
直接トルク、速度制御高性能ACサーボシステムの開発
Project/Area Number |
63850054
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勲 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10016602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信也 サンケン電気, 機器事業部, 部長
大森 洋一 東洋電機, 技術研究所, 研究員
宮下 一郎 東洋電機, 技術研究所, 室長
川畑 隆夫 三菱電機, パワーエレクトロニクス部, 開発総括
加治 敬文 東芝, 電商研究開発, 部長
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Keywords | 誘導機のトルク制御 / 誘導機の回転速度制御 / サーボシステム / DSP制御 |
Research Abstract |
本年度は理論面と実用化に対して以下のような成果が得られた。 1.主磁束の飽和に関しては一次磁束を一定制御することにより二次側も含め飽和の問題はない。しかし、漏れ磁束は定格電流の15倍程度以上流すと飽和が始まる。この場合、トルク応答が速くなるだけで性能上の問題はないようである。この結果、定格の20倍電流を流し15倍のトルクを発生することができた。これを用いて速度制御した結果1.5kwの誘導機で1000rpmのステップで立上り時間が4msである。 2.この制御法を用い高速トルク制御を試みたところ正弦波状の定格トルク変化に対して2000Hz(-3dB)を実現できた。これは汎用大形サーボでは世界記録であり文献(IEEE)で発表する。 3.DSPを用いて、全ディジタル制御を試みた。使用したDSPはTMS320ー10であり、演算時間が25μs以下の場合は満足するトルクリップル値が得られた。この演算時間に相当する無駄時間の補正には線形一次近似による入力電流予測の手法を用いている。 4.トルクが小さいとき磁束も弱めることにより騒音と無負荷損を軽減できる。無負荷損は40%に、騒音は10dB減少した。 5.GTOを用いるより大容量トランジスタを使用した方が価格、性能的に有利な時代になった。本制御の応用例としてリニアモータ駆動(埼玉博、横浜博)を試み低駆音、高速トルク制御が結果として得られた。 6.超低速1rpd(1日1回転)が得られ、1:2×10^6の速度制御範囲が可能になった。負荷が一定であれば、PI回路の調整は不要であるが、可変負荷に対しても学習制御を導入することを確めている。 現在、高速トルク制御は上記のリニアモータ制御の外に自動車負荷装置80kwに実用化されている。広範囲速度制御は実用化の段階で、今年中にメーカより発表されるであろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.Takahashi: Proceedings of the first international PCIM'88 conference. 254-263 (1988)
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[Publications] T.Koga: Proceedings of the first international PCIM'88 conterence. 233-243 (1988)
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[Publications] I.T: IEEE Transaction on Industry application.