1988 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリック発振を利用した新形式アクチュエータの研究
Project/Area Number |
63850082
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 孝一 東北大学, 工学部, 教授 (60005204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ倉 理 東北大学, 工学部, 助教授 (20134017)
|
Keywords | パラメトリック発振 / 非線形振動 / リニアアクチュエータ / 磁気回路モデル |
Research Abstract |
本研究は筆者らの提案によるパラメトリックモータの動作原理に基づく簡易高性能のリニアアクチュエータの開発を目的として行なったものである。以下に本研究で得られた成果を記述する。 本アクチュエータは非線形振動の一種であるパラメトリック発振による分相現象を利用して進行磁界を形成するものであり、一次側磁心としては(1)カットコアと棒状鉄心、(2)切削加工したカットコアと棒状鉄心、(3)4脚積層鉄心と棒状鉄心による3種類の構成が考えられる。本研究では失ず、これらの磁心を作製し、アルミニウム板と磁性鉄板による複合導体を可動子とした場合の推力の比較を行なった。その結果、推力/入力比及び推力/体積比でみると(3)の4脚積層鉄心によるものが最も良好であることがわかった。本磁心は製作及び組立が容易であり、打ち抜き加工による量産化も可能という特徴を有するため、以下においては4脚積層鉄心を用いたリニアアクチュエータについて詳細な動作解析を行なった。本アクチュエータは非線形な電気機械系であるため、一次側磁心の飽和特性と二次導体の渦電流をどのように取り扱うかが動作解析の要点となる。ここでは磁心の飽和特性を非線形磁気抵抗で表し、渦電流の効果を起磁力で表現するいわゆる非線形磁気回路モデルを考案し、これに基づいてパラメトリック発振時の発振電圧、空隙磁束及び静止推力の算定を行なった。計算値と実験値は良好な一致を示し、推力/入力比を最大とする4脚積層鉄心の寸法比を明確にすることができた。これに基づいた試作機において、実用に供し得る推力/入力比が得られた。 以上より、パラメトリック発振を利用した新形式のリニアアクチュエータが開発されるとともに、最適設計のための動作解析手法が確立され、本研究の所期の目的が一応達成されたものと考えられる。以上の成果は日本応用磁気学会誌などで発表を行なった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 村上孝一: 昭和63年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集(2Iー9). (1988)
-
[Publications] 一ノ倉理: 第12回日本応用磁気学会学術講演概要集(2PGー10). (1988)
-
[Publications] 一ノ倉理: 日本応用磁気学会誌. 13. (1989)