1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850087
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 拓宋 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20016760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山越 芳樹 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10174640)
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Keywords | 位相共役光 / ファイバースコープ / 医用診断 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
光ファイバースコープは医用の内視鏡あるいは非破壊検査のための有力な手段として多く用いられてきている。しかし従来の系では、ファイバーの一本を一つの画素として用いているために数万本のファイバーを束ねて用いる必要があり、その結果ファイバースコープの直径は大きくなっていた。これに対し、本研究の目的はファイバー一本のみを用いた極細型のファイバースコープ系を完成させることにあった。このために丁度時間軸を逆転させたような位相共役波を光ファイバーの出力面で発生させ、これを同じファイバーに逆伝播させることで、一本のファイバーのみを用いることによる画像の歪みを自動的に補正し高画質の画像を得、更に三次元的な情報の再生を利用した応用についても検討することであった。これらの目的にそって、今年度はまずその原理を実証すべく基礎的な系を構成して実験を行った。すなわち、観測物体の画像を一本の多モードファイバーを用いて位相共役波発生用結晶に入射し、そこから出射する位相共役波を同一のファイバーを通して歪の補正された画像を得るプロトタイプの光ファイバースコープ系を構成し、ファイバーからの出力画像はテレビカメラ、画像メモリーを通してディスプレイに表示するようにした。次にこの系を用いてファイバー長が60mm程度までのものについてファイバーの曲げなどを含んだ種々の条件のもとで実験を行い、光ファイバーの特性と得られる画像の質との関係などを実験的に明らかにした。これらの結果はこの方法で十分実用に供しうるファイバースコープが実現できることを示しており、その設計法と基礎的結果はApplied Opticsおよび計測自動制御学会の論文として報告した。この研究の最終年度である明年度は今年度構成した系の特性について更に詳細に調べると共に更に実用的な系の実現の可能性について多くの観測例と共に検討していく予定である。
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[Publications] Suksang Chang;Takuso Sato: APPLIED OPTICS. 27. 4123-4125 (1988)
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[Publications] 佐藤拓宋,張錫相: 計測自動制御学会論文集. 24. 8-12 (1988)