1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜川 圭弘 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 秀行 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30112022)
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Keywords | カラ-ディスプレイ素子 / 硫化亜鉛 / ホットエレクトロン / 発光中心 / 二重絶縁層 / 電子ビ-ム蒸着 |
Research Abstract |
本年度は、チュ-ナブルカラ-素子の開発に重要となる高輝度化に向け、キャリア注入効率の増加と発光中心の改善を行った。またフルカラ-ディスプレイ実現に向けてZuS:DyF_3(黄色)およびZnS:PrF_3(白色)EL素子の高効率化の実験にも着手した。 EL素子の高輝度化を実現するには、注入層界面における高電界利用してホットエレクトロンを効率よく注入し、かつ発光中心の励起効率を増加させることが必要である。まず緑色発光するZnS:TbF_3EL素子のキャリア注入効率を改善するために、キャリア注入部を構成する二重絶縁層またはMIS構造にn型のA1ド-プZnSを設けることを提案し、3種類の新構造について実験を行った。その結果、MIS構造を用いたものでは、これまで最高の760cd/m^2の輝度が得られた。この輝度の改善のメカニズムはホットエレクトロン注入によるものと考えられるが、現在詳細に検討中である。この構造はZnS以外のEL発光層母体であるCaSやSrS等にも応用可能である。今後ZnS:SmF_3(赤色)およびZnS:TmF_3(青色)素子に用いて高輝度化を図る予定である。 つぎに、励起により適していると思われるTbOFを発光中心として用いた緑色発光素子の作製を行った。その結果、電子ビ-ム蒸着法でもTbOF発光中心を含むZnS発光層の成膜が十分可能であり、酸素と沸素原料比1:1でTb濃度3%が最適条件であった。このとき最高輝度290cd/m^2が得られ耐電圧特性も良好であった。これは従来のZnS:TbF_3発光層を用いた素子の約2倍の輝度であり、またその膜質もX線回折解析の結果従来型の素子に比べて飛躍的に向上しており、かつ均質であることが分かった。
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