1988 Fiscal Year Annual Research Report
非線形波浪荷重計算法の船体設計への応用に関する研究
Project/Area Number |
63850095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤野 正隆 東京大学, 工学部, 教授 (10010787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 直二 三菱重工業, 長崎研究所, 主任
江口 純弘 東京大学, 工学部, 助手 (00013201)
深沢 塔一 東京大学, 工学部, 助教授 (80143171)
小瀬 邦治 広島大学, 工学部, 教授 (40034409)
仲渡 道夫 広島大学, 工学部, 教授 (20034324)
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Keywords | 非線形波浪荷重計算法 / 船体設計 |
Research Abstract |
大波高波浪中で船体に働く波浪荷重には非線形性が強くあらわれ、従来用いられている線形ストリップ法では推定が困難である。本研究では以前に研究代表者らのグループで開発された非線形波浪荷重計算法を船体構造設計に応用する立場で研究を行なう。 まず、コンテナ船型を選び、研究代表者らの開発した非線形波浪荷重計算法を適用した。この計算法の有効性はすでに模型船に適用した場合については確かめられているが、船体設計の際に必要となる実船についての計算では確かめられていなかった。今回は実船についての計算を行なったが、その結果、実船には模型船の場合のようにSWAYやYAW運動に対するカウンターウェイトやバネがないため、計算結果にドリフトがあらわれ、場合によっては計算不能となることが判明した。このままの計算方法を船体設計に応用することは無理であるので、本年度はこの計算に生ずるドリフトをおさえる手法について検討した。これには、仮想のバネをSWAY、YAWに対して加える方法、デジタルフィルターを用いてドリフト成分を除去しながら計算する方法などについて考察した。これより、バネを加える場合の適正なバネ定数の値のとり方、デジタルフィルターを用いる場合の方法等が明らかにされ、非線形波浪荷重計算法を実船について適用し、船体設計に応用できる目途が立った。 次年度は以上の結果をふまえ、コンテナ船型以外の船型(幅広浅喫水船を予定)に対して非線形波浪荷重計算法を適用し、船体設計への応用について検討する。なお、本方法の実用性をコンテナ船以外の船型について検証するため、模型船を用いた水槽試験を実施する。これらを線形理論と比較し、非線形波浪荷重計算法に基づく船体構造設計法を提案する予定である。
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