1990 Fiscal Year Annual Research Report
非線形計画法および対話型図形処理手法による船型改良ソフトウェアの開発
Project/Area Number |
63850096
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Research Institution | Yokohama National University, Faculty of Engineering |
Principal Investigator |
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80111699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池畑 光尚 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10114969)
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Keywords | 非線形計画法 / 船型計画 / 抵抗最小化 / 高速船型 / 対話型図形処理 |
Research Abstract |
昨年度はそれまでに試作した船型改良用の初期的な準対話形式のシステムを用いて漁船船型の改良計算を実施したが、本年度は研究の最終年度であるから計算結果に出応する模型を作成し、模型試験を実施して船型改良の有効性を確認し、システムの評価することとした。 本研究では排水量型高速漁船船型を計算例として、本試作システムにより各種の制約条件の下に最適化を実施したが、模型試験はそのうちの2例について実施し母船型の結果と比較した。この船型はカナダの太平洋岸で使用されている漁船船型であり、漁網の操作性のため漁民が通常の突出バルブを敬遠しているので、非突出型のバルブを採用して改良計算を実施している。母船型および2隻の改良船型(設計速力9ノットおよび11ノット)の実験結果を比較すると、設計速力においてそれぞれ剰余抵抗で3.7%および8.2%、有効馬力で3.4%および6.8%の低減が確認された。これらの実験結果より船型改良用本試作システムの有効性が確認されたと考えられる。 試作システムでは改良船型のグラフィック表示を設計者が確認し、その結果に判断を加えて制約条件の変更を指示し、改良計算を再度実施する方法を探っているので、改良の良否は設計者の判断に左右されるが、模型試験結果のように実用的な改良船型を提示することが可能である。設計者の判断に基づく制約条件の変更機能についてはGUI的な手段を将来導入するのが望ましいと考えられるが、準対話形式の船型改良システムの開発という初期の目的は以上のように十分達成された。本システムのソフトウェアは小型のエンジニアリングワ-クステ-ション上で動作するので、上の例のような漁船船型を多数建造する可能性のある小規模の造船所にも適合するシステムと考えられる。
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