1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850108
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町田 篤彦 埼玉大学, 工学部, 教授 (50008869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60134334)
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Keywords | 擬似動的実験 / 断続載荷 / 振動実験 / アンダーシュート誤差 / ひずみ速度効果 |
Research Abstract |
片持ち梁形式の鉄筋コンクリートおよび鋼供試体について、静的載荷実験、擬似動的載荷実験および振動実験を行い、以下の結論を得た。 1) 鉄筋が降伏点以下、コンクリートが弾性体と見なせる範囲内の応力状態にある場合、アクチュエータの制御アルゴリズムを適切に定めれば、擬似動的載荷実験の結果は、載荷が断続的になることの影響を全く受けず、振動実験の結果と一致する。 2) アクチュエータをコンピュータ制御する場合に問題となるアンダーシュート誤差は、変位の許容誤差を小さくするとともに、必要変位に致達させる変位増分を等比級数的に減少させるアルゴリズムを採用することにより、無視できる程度にすることができる。 3) 鉄筋応力が降状点を越えると、載荷が断続的になることによって復元力が低下する。擬似動的実験では、この低下した復元力を測定して次ステップの強制変位を計算するので、振動実験とは相違する結果を与える。 4) 擬似動的実験では、載荷が静的になるので、鉄筋に歪速度を生じない。このため、擬似動的載荷実験は歪速度効果によって生ずる復元力の増加が無視された実験となっており、これが振動実験と相違する結果を与える原因の一つとなっている。 5) 載荷が断続的になることによる復元力の低下および載荷が静的で歪速度効果を無視したことによる復元力の低下を考慮して測定された復元力を補正して次ステップの強制変位を計算するアルゴリズムを採用すると、擬似動的実験は、鉄筋応力が降伏点を越えた塑性域における応答に対しても、振動実験とほとんど同じ結果を与える。 6) 補正すべき復元力の大きさについては、今後の実験検討が必要である。
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Research Products
(2 results)