1989 Fiscal Year Annual Research Report
サンドコンパクションパイルで改良した地盤の水平抵抗に関する研究
Project/Area Number |
63850112
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中瀬 明男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末政 直晃 東京工業大学, 工学部, 助手 (80206383)
竹村 次郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (40179669)
木村 孟 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016506)
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Keywords | サンドコンパクションパイル / 粘性土 / 重力式護岸 / 水平抵抗 / 水平変位 / 安定性 / 模型実験 |
Research Abstract |
昭和63年度に引き続き、裏込め荷重を受けるサンドコンパクションパイル(SCP)で改良された粘土地盤上の重力式護岸の挙動を調べることを目的に遠心模型実験を行った。今年度はこの種の安定性に影響を及ぼす条件として護岸重量(有効接地圧)を43,88,118kPa、SCP改良幅を護岸基礎幅の1倍、2倍また置換率を25,50%に変えた裏込め載荷実験を行い、SCP地盤上の護岸の安全性について以下の結論を得た。即ち、 1)SCP地盤上の重力式構造物が裏込め荷重を受ける場合、地盤の変形は鉛直変位に対し水平変位が著しく大きくなる。 2)載荷初期においては水平変位と鉛直変位の比が地盤条件によらずほぼ一定であり、初期変動挙動は今回の実験の条件の範囲ではほぼ同様なものとなった。水平変位が大きくなると、崩壊挙動は改良幅により異なったものとなる。即ち、改良幅が大きな場合は基礎下端部にくさびが形成され砂杭がせん断されるのに対し、改良幅が小さい場合は砂杭が深部で折れ曲がりくさびは形成されない。 3)未改良地盤の場合、破壊直前で変位が急増し明確な円弧滑り破壊を示す。これに対しSCP地盤の場合、裏込め荷重増分に対して除々に水平変位が増大し、荷重が大きくなると水平変位が急増し護岸は完全に崩壊するが滑り面は発生しない。従って、SCP地盤上の護岸の裏込め時の安定性の評価に際しては、崩壊に対する安定性の確保より変位の抑制が重要となる。 5)修正フェレニウス方法によって求めた安全率と護岸基礎直下の地盤水平変位とは、護岸重量、改良条件によらずほぼ同一の曲線関係を示した。これによると安全率が1.4で水平変位が約20cmとなり、その以下で変位が急増することがわかり、水平変位の発生を抑えるためには1.5程度の安全率が必要といえる。
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[Publications] 飯島興二,広岡明彦,竹村次郎,中瀬明男: "盛土荷重を受けたSCP地盤の安定性について" 第24回土質工学研究発表会講演概要集. 2. 1895-1896 (1989)
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[Publications] 大塚寿一,竹村次郎,岡留孝一,中瀬明男: "SCP地盤上の重力式護岸の安定性に関する研究" 第24回土質工学研究発表会講演概要集. 2. 1897-1898 (1989)
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[Publications] 渡辺要一,末政直晃,竹村次郎,中瀬明男,広岡明彦: "SCP地盤上の護岸の裏込め盛土に対する安定性について" 第25回土質工学研究発表会講演概要集. (1990)