1988 Fiscal Year Annual Research Report
豪雨の物理・確率構造解析と3次元レーダー・衛星情報による短時間予測システムの開発
Project/Area Number |
63850119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
操野 年之 気象庁, 気象衛星センター, 運輸技官
鈴木 和史 気象庁, 気象衛星センター, 運輸技官
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助手 (70183506)
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
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Keywords | 降雨予測 / 流出予測 / リモートセンシング / レーダー / 気象衛星 / 地形性降雨 / 台風 / 確率過程 |
Research Abstract |
1.メソβスケールでみた水蒸気の3次元的な流入経路および量を高層観測データ、アメダスデータおよび地形データから推定する手法を確立し、集中豪雨時の水蒸気フラックスを算定した結果従来から推定してきた水蒸気流入量の局地性が証明された。さらに、地形の影響を受けながら、流入水量気と不安定場の相互作用によって強雨が生じるというモデル化を通し降雨分布の再現を試み、レインバンドの形状変化が再現される等かなり良好な結果を得た。 2.3次元レーダー情報から不安定場に関する情報を抽出すべく開発している水蒸気相変化量推定手法に関しては、下層データへの適用を通して手法の有効性や問題点を調査した上で、ブライトバンドより上空のデータへの適用を試みた。その結果、水収支という観点からみて定量的にも説明力のある結果を得、1.の手法との結合を通して本手法が短時間降雨予測手法として利用可能であることが示された。 3.海洋上におけるGMSデータの強度分布とその変動持性に関しては、台風に伴うら線状のレインバンドに対して確率・統計的な調査を行ない、より広い範囲で立平モデルが適用可能であることを明らかに、なおかつそのモデルを確率過程的なモデルに発展させる基礎を築いた。 4.すでに実用段階に入っているGMSデータから降水強度推定を行なう手法に関しては、毎時データを用いて推定精度の時間変動の調査を行なった。その結果、【○!1】対流活動が活発な時には推定精度が好く、【○!2】対流活動が弱い時には絹雲の増加によって推定精度が低下するため、対流雲と絹雲との雲形判別が推定精度向上のための重要な要素だと判明した。 5.以上、それぞれの課題において新たな手法の確立、精密化が進み、次第に結合へと進む段階に入りつつある。従って、今後はそれぞれの結合を意識しながら、問題点の改良、精密化をはかって行く予定である。
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[Publications] 中北英一: 京都大学防災研究所年報. 第32号B2. (1989)
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[Publications] 中北英一: 京都大学防災研究所年報. 第32号B2. (1989)
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[Publications] 高棹琢馬: 土木学会関西支部年次学術講演会講演概要集. (1989)
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[Publications] 鈴木和史: 日本気象学会春季大学予稿集. 55. (1989)