1989 Fiscal Year Annual Research Report
防災システムの総合制御による避難誘導区画形成のためのエキスパ-ト・システムの開発
Project/Area Number |
63850131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 光正 大阪大学, 工学部, 教授 (40028931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助手 (50167011)
柏原 士郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029164)
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Keywords | 避難シミュレ-ション / 避難誘導 |
Research Abstract |
平成元年度は、昨年度の調査デ-タに基づいて火災時の人間の行動法則をモデル化し、避難誘導システムの構築を試みた。昨年度の研究の結果、火災に関する建物固有の各種デ-タやシミュレ-ション結果を知識ベ-ス化することは実用化の点からは非現実的であることがわかったので、今年度からは、熱や煙を感知するセンサを建物内の随所に設置し、センサから情報をもとに避難誘導方向を指示するシステムを構築することになった。今年度は、第一段階としてまず避難誘導の概念と手法を整理し、それらのうちでモデル化が可能なものについてプログラム化し、システムにとり入れた。 避難誘導位置については(1)任意の誘導表示位置を設定する。(2)通路の分岐点で誘導する。の2通り、誘導方向の決定要因としては(1)隣接ノ-ドへの煙到達時間(2)隣接ノ-ドの煙高さ の2通りとし、避難誘導システムとして計4通りを考えた。それぞれについて、単位時間を2秒として避難誘導シミュレ-ションを行った結果、避難誘導の効果が死亡者数の大幅減となって現れ、避難誘導の効果が定量的に確かめられた。しかし、(1)システムのプログラムサイズが非常に大きくなり、非構造化言語であるBASICによる記述は限界である(2)パソコンのメモリをほぼ一杯使ってしまうため、パソコンレベルではこれ以上のシステム拡張が困難(3)避難誘導を組み込んだ結果、演算時間が非常に長くなる という新たな問題点も生じており、これらは最終年度の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岡田光正,柏原士郎,吉村英祐,横田隆司,東利彦: "視覚情報に基づく建物火災時の三次元ネットワ-ク避難シミュレ-ションシステムの開発" 第12回情報・システム・利用・技術シンポジウム. 421-426 (1989)
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[Publications] 岡田光正,柏原士郎,吉村英祐,横田隆司,東利彦: "避難誘導を組み込んだ三次元ネットワ-ク避難シミュレ-ションシステムの開発" 日本建築学会近畿支部研究報告集 計画系. 29. (1990)