1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850132
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
片岡 正喜 大分大学, 工学部, 教授 (70038438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 幸生 大分大学, 工学部, 助手 (60175990)
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Keywords | 高齢者 / 寝たきり老人 / 車いす / 介護 / 住宅改善計画指針 / 空間構成 / ディテ-ル / サニタリ- |
Research Abstract |
1.本年度の調査研究:昨年度の都市部に対し、農村部における寝たきり老人を中心とする住生活の実態を調査し、併せて問題点および改善状況を把握し、指針を作成した。 2.考察の概要:寝たきり老人の移動状態の変化をみると、大きくは自立移動を経て寝たきりに至るものと、いきなり寝たきりに至るものとがあり、その過程で車いす使用の段階が殆どみられない。寝たきり老人の住生活は、自立から部分的介助、さらに全面介助となり、生活行為の集中する寝室が寝たきり老人の住生活の拠点となる。 3.指針の基本的方向:(1)加齢による身体機能の低下及び寝たきりに至る過程に対応できる加齢対応住宅とする。(2)高齢者の自立化促進、介護者の負担軽減住宅とする。(3)一般の居住水準に近似した住宅改善とする。 4.緊急的対策:(1)寝たきりに至る過程において使用要求の高い室と、とくに寝室・便所・浴室、次いで食事室・居間について配慮が求められる。(2)寝室を中心とした各室との連結関係に配慮が求められ、最優先としては便所・浴室との連結、次いで食事室・居間、さらに介護者の寝室との連結が重要となる。(3)寝たきり室については、拠点化することから最低限6畳は必要で、ベッド・ポ-タブルトイレの導入、さらに車いす使用を考え、床の板張り化を検討する。(4)サニタリ-関係では、トイレと浴室が分離し小規模で、対応策としては、洗面脱衣室を連続化させ、そのスペ-スを活用する。(5)ディテ-ルとしては、手すりの設置と段差の解消が効果的である。 5.基本的対策:高齢化社会では高齢期の居住を前提とし、介護と車いす使用を可能にするための主要なスペ-スを想定し、板張り化、ドアの幅員・形式等に、あらかじめ配慮した構成・構造として計画していくべきである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 片岡正喜・有田幸生・他2名: "寝たきり老人の住生活及び住宅計画に関する研究" 日本建築学会九州支部研究報告. 第31号・3. 21-24 (1989)
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[Publications] 片岡正喜・有田幸生・他1名: "寝たきり高齢者のための住宅改善計画に関する研究その1.寝たきり状態に至る過程と現在の日常生活能力" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E分冊. 281-282 (1989)
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[Publications] 片岡正喜・有田幸生・他1名: "寝たきり高齢者のための住宅改善計画に関する研究その2.寝たきり室及びサニタリ-の現状と住宅改善" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E分冊. 283-284 (1989)
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[Publications] 片岡正喜・有田幸生・他1名: "寝たきり高齢者のための住宅改善計画に関する研究" 日本建築学会中国・九州支部研究報告. 第8号・3. 21-24 (1990)