1988 Fiscal Year Annual Research Report
応力解放時のひずみ変化特性を考慮した新しい地圧決定システムの開発
Project/Area Number |
63850137
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 敏明 京都大学, 工学部, 助学授 (90056151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳谷 俊 京都大学, 工学部, 助手 (00259128)
松本 義雄 京都大学, 工学部, 助手 (00026022)
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Keywords | 岩盤内応力 / 応力解放法 / 地山応力 / 岩盤内初期応力状態 / 地圧測定 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は次のとうりである。 1.理論解析結果の検討の結果、ひずみ測定位置近くを応力解放用のボーリングが通過する際のひずみ変化特性は、オーバーコアリング径によって多少異なることが明らかとなった。このため、オーバコアリング径を測定用ボアホール径の1.5、2.0、2.5倍の3種類に設定し理論解析を行った。 2.有限要素法を用いて理論的なひずみ変化特性を求めた。オーバーコアリングの進行はゲージ位置より測定用ボアホール径の12.5倍手前から、通過後12.5倍に至る過程を17段階に分けて解析した。これらの結果を用いて、まず、8素子ゲージを対象としてひずみ感度係数を求め、理論的なひずみ変化特性とし、各オーバーコアリング径毎に整理し、データベースとした。 3.地山決定システムにひずみ変化特性を考慮するため次のようなシステムを開発した。 (1)理論的にひずみ感度係数を求めた17点について観測方程式をたて、これらすべてを用いて最小二乗法により、地山応力の最確値をまず決定するとともに、その誤差の評価を行う。 (2)次にひずみ変化測定値と理論的なひずみ変化を比較し、その誤差の評価を行う。 (3)ひずみ測定値と理論値との差が他に比べて大きなものがあれば、そのゲージの測定値を地山決定のためのデータから取り除く。 (4)残りのデータで再び地山応力を決定し、その誤差の減少を指標に地山応力を決定する。 4.上記の方法により、観測方程式の数を増加させるとともに、従来の方法では難しかった不良ゲージの検出が可能となり、地山応力決定の精度を格段に向上させられることがわかった。
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