1988 Fiscal Year Annual Research Report
99.99999%アルミニウムの帯精製とその大型化
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63850141
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
紀 隆雄 広島大学, 理学部, 教授 (10033797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 俊男 広島大学, 理学部, 助手 (10153545)
中道 功 広島大学, 理学部, 助手 (40142335)
橋本 英二 広島大学, 理学部, 助教授 (50033907)
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Keywords | アルミニウム / 帯精製 / 高純度金属 / 金属中のガス |
Research Abstract |
帯精製アルミニウムの到達純度を決める因子として、表面からの汚染特に雰囲気中の不純物が重要であるため、クライオポンプ(アルバック・クライオ社製CRYO-U6)一式を購入し10^<-10>Torr到達可能な帯精製装置を製作した。これと併行して、現有のイオンポンプ排気系および油拡散ポンプ排気系を用いて10^<-9>Torrおよび10^<-7>Torr台の真空中で帯精製を行い、真空度の影響を検討した。まず、大きさ0.5×3×100mm^3の試料で測定した残留抵抗比に関しては、約13,000と両者の間に大差はない。しかし、歪ー焼鈍法によって単結晶化するとき、結晶成長条件である予備焼鈍温度が10^<-7>Torrの高真空中で帯精製したものが210〜275℃であるのに対し、10^<-9>Torrの超高真空中で帯精製したものは75〜100℃と著しく低下することが判った。さらに、これらの単結晶をサイクル焼鈍によって低転位密度化するとき、転位密度の減少の割合は超高真空中で帯精製したものの方が大きいことが明らかになった。真空度の影響はガス不純物の除去効果と密接に関連しているものと考えられる。そこで四重極質量分析計を用いて残留水素の分析を行った。それによると、高真空中で帯精製を行った場合には、恐らくミクロサイズの孔を形成していると思われる水素の放出が〜400℃で観測されるのに対し、超高真空中で帯精製した場合には観測されなかった。また、水素分析の実験から、試料のベーキングは10^<-8>Torrより良い真空で行わないとその後の帯精製によるガス不純物の除去効果が減少することがわかった。 以上、本年度は定性的であるが超高純度アルミニウム精製の基礎となる知見を得ることが出来た。今後は製作した帯精製装置を用いて、精製効果の定量的標価と推し進め、99.99999%アルミニウムの帯精製を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sigemi FURUNO: Journal of Nuclear Materials. 155ー157. 1149-1153 (1988)
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[Publications] Takao KINO: Journal of Nuclear Materials. 155ー157. 1237-1240 (1988)
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[Publications] Toshiro ENDO: Journal of Physics F:Metal Physics. 18. 2203-2210 (1988)
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[Publications] Yoshitake UEDA: Journal of the Physical Society of Japan. 57. 3896-3902 (1988)
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[Publications] Isao NAKAMICHI: Journal of Physics F:Metal Physics. 18. 2421-2428 (1988)