1990 Fiscal Year Annual Research Report
チタン合金の真空ア-ク再溶解における健全性評価システムの試作
Project/Area Number |
63850146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 高照 東京大学, 工学部, 教授 (50011078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 実 東京大学, 工学部, 助手 (50167243)
鈴木 俊夫 東京大学, 工学部, 助教授 (70115111)
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Keywords | VAR / チタン合金 / 流動 / 凝固解析 / 自然対流 / 電磁力 / 最適化 |
Research Abstract |
チタン合金は宇宙航空材料、高力耐熱材料、高力耐食材料として今後の発展が期待されている。チタン合金は真空ア-ク再溶解法(Vacuum Arc Remelting、VAR)によってほとんど溶製される。VARは電極・インゴット間のア-ク放電によって一次インゴットである電極が加熱溶解され、鋳型内に液滴が落下し二次インゴットの上部に一定量のメタルプ-ルを保持しながら凝固する。本プロセスは単純な構成であるが、ア-ク放電、高温融体、融体流れ等によってプロセスの素過程は極めて複雑となる。複雑な素過程を寸法(インゴットおよび鋳型)が与えられた時、極間電圧、電流によってのみ制御するので現象の解明と最適制御への指針が必要である。本研究では流動の駆動力として、流体内の温度差にもとづく自然対流と電磁誘導流れを考慮した凝固解析を行い、流速分布、温度分布、メタルプ-ル形状などの計算を行った。熱伝導方程式に浮力および電磁力に基因する流れ(SMAC法によって計算)および連続の式を連成させ計算した。さらに、良好な鋳肌を得るためにメニスカス部の凝固シェル厚みがないこと、流速が大きく合金元素の攪拌およびメタルプ-ルの均熱化が図れること、機密な凝固組織をうるために冷却速度が大きいことを、判定基準にチタン合金インゴットの健全性を総合的に把握するシステムを完成させた。本システムはプロセス制御の最適化の方向を提示し操作条件とよく一致することを示した。
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[Publications] 岡根 利光: "流動を考慮したVARの凝固解析" 第105回日本金属学会秋期大会講演概要集. 356 (1989)
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[Publications] 岡根 利光: "VARの流動凝固解析" 第106回日本金属学会春期大会講演概要集. 332 (1990)
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[Publications] 岡根 利光: "真空再溶解Tiインゴットの流動凝固解析" 日本金属学会誌. (1991)