1988 Fiscal Year Annual Research Report
高速反応性スパッタリングによる構造安定性鉄窒化膜の作製
Project/Area Number |
63850152
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
入戸野 修 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016564)
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Keywords | 磁性漂膜 / スパッタリング膜 / 鉄窒化膜 / 構造安定性 / 磁気記録媒体 / 高速堆積速度 / 微細構造 |
Research Abstract |
通常金属および合金ターゲットを用い、スパッタリングガスとしてアルゴンを用いて稼動させる対向型ターゲット式直流スパッタリング装置を反応性スパッタリング装置として活用することにより堆積速度の増大を図り、合せて膜作製条件を制御することによって構造安定性鉄窒化膜の作製を試みた。以下に述べるように、現在までにいくつかの基礎的成果が得られ、またいくつかについては改良が検討中である。 (1)対向型ターゲット式直流スパッタリング装置に、高出力の直流電源(電圧1.5KV、最大電流1.5A)を取付けることにより、広範囲の放電ガス圧、放電電圧、ガス混合比(窒素対アルゴンガス)を実現できるように装置の改良を行った。これにより堆積速度(1nm/s以上)の向上が期待できることが確められた。 (2)放電ガス混合比と放電電流を予め設定し、安定化放電を行うことにより、また、基板温度を変化させることにより、所定の窒素を含む鉄窒化物膜が生成できるように工夫した。この条件が実際に生成される窒化鉄膜の相の安定性とどのような関係にあるかについては次年度で検討。 (3)生成相の異なるスパッタ膜の磁気特性をVSMで測定し、保磁力および鉄和磁気を測定し、X線回折ならびに透過型電子顕微鏡による結果と合せて、良質で安定な磁気特性に必要な要請条件を検討中である。 (4)基板を斜めに設置し、柱状晶を優先成長させることにより形状磁気異方性を変化させることが、どのような磁気特性を与えるかについて現在実験計画中であり、そのための装置の改良を行っている。 (5)構造安定性の鉄窒化膜を作製するための条件を作製条件、微細構造繊維組織などとの関連から検討中である。
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[Publications] Sheng Kai Gong;Osamu Nittono: Symposium on Materials Science.8-9 (1988)
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[Publications] Muneaki Yamaguchi;Sheng Kai Gong;Yoshio Nakamura;Osamu Nittono: Materials Tranaction,JIM. 30. (1989)
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[Publications] Sheng Kai Gong;Yoshio Nakamura;Osamu Nittono: Materials Transaction,JIM. 30. (1989)