1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850158
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 郁男 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (90029009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 隆明 田中貴金属工業(株), 技術部, チーフマネージャー
竹本 正 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (60093431)
|
Keywords | はんだ付 / 経時変化 / 時効 / はんだ合金 / 機械的性質 / 金属間化合物 / 共晶合金 / 冷却速度 |
Research Abstract |
Sn系、SnーPb共晶系、Pb系等の数種のはんだ合金を冷却速度を変えて作成し、室温における機械的特性を検討した。はんだ合金への添加元素として、Snと金属間化合物を形成するAgおよびSbを選定し、化合物による分散強化を考えた。冷却速度を大きくすることによって、金属間化合物が微細分散することを考慮してAgおよびSbの添加量をやや多くした。また、はんだ合金を室温に放置すると、組織と機械的性質が変化するので室温時効の効果も検討した。以上の実験結果から、冷却速度を速くすると強度上昇するはんだと強度低下するはんだとが区別できた。さらに冷却速度が速いと、室温時効に伴う強度変化が大きくなることが明らかとなった。すなわち、冷却速度のマイクロソルダリング工法別に、機械的特性の優れたはんだ合金を使用することが継手の信頼性、経時劣化特性の改善のために有効であることがわかった。 SnーPb系共晶はんだと各種銅合金をはんだ付して110〜150℃におけるCuーSu系金属間化合物の成長速度を比較検討した。銅へ添加して化合物の成長を速めたり、はんだ付部界面でのはくり特性を劣化させる元素としては、Fe、P、Ni、Si、Ti、Pt、Al、Pd、Co等であることがわかった。一方、銅合金の強度を上昇させ、継手の経時劣化特性を劣化させない元素としては、Ag、Mg、Mu、Zn等であった。添加元素の種類によって化合物成長速度が異るのは銅合金中に元素が固溶したことによりSnおよびCuの拡散速度が異ったためと考えられた。 以上の結果から、機械的特性劣化の少いはんだ合金を各種マイクロソルダリング工法の冷却速度に応じて選定できることが明らかとなった。さらに、はんだ/銅合金界面での金属間化合物成長に伴う継手の経時劣化の少い銅合金設計が可能となった。
|
-
[Publications] 岡本郁男,竹本正,山本高弘: "銅のはんだ付界面の金属間化合物成長に及ぼす銅への添加元素の効果" 溶接学会論文誌. 8. (1990)
-
[Publications] T.Takemoto,I.Okamoto: "Changes of Mechanical Properties and Microstructure of Solder Alloys during Room Temperature Aging" J.Mat.Sci.,. 25. (1990)