1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川上 雄資 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80109280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 伸行 メニコン(株), 研究員
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Keywords | ポリシロキサン / ポリエ-テル / 気体透過膜 / 液晶性高分子 / 構造一機能相関 / 立体規則性ポリマ- / 拡散係数 / 緩和時間 |
Research Abstract |
シロキサン結合を主鎖や側鎖にもつポリマ-の構造を制御し、これらポリマ-の性能を高め、また、新しい機能を発現させることを目的として、気体透過膜素材、液晶性高分子に関する検討、評価を行った。 気体透過膜素材については、ポリジメチルシロキサンや、含フッ素ポリマ-によるブレンド膜の表面修飾が、基材ポリマ-の透過性能のみでなく、透過選択性の向上にも有効であることを示し、表面構造制御の重要性を指摘した。また、短いジメチルシロキサン鎖をもつ透過膜素材についても研究を進め、側鎖の膜中における運動性が、ポリマ-のガラス転移温度や成膜性に影響を与え、透過性を支配することを示した。今年度は、固体NMRをもちいて緩和時間を測定し、側鎖の運動性を評価することにより、側鎖の構造と気体透過性の関係を定量的に明らかにして、ポリマ-、特に側鎖の1次構造の制御の重要性を明確にし、透過膜素材設計の指針を確立することができた。さらに、この指針は、ガラス転移温度の高い、ナイロンなどの素材にも適用できることを、芳香族ポリアミドを用いて明らかにした。一方、トリメチルシリル基のように嵩高い置換基の役割についても検討し、このような置換基が高分子鎖間隙の制御に有効であることを示すことができた。これらの検討において、購入した全反射測定装置などを有効に使用した。液晶性高分子については、側鎖型液晶において、回転障壁の低いシロキサン結合がメソゲンの集合を容易にしていることに着目し、主鎖構造を変えて検討を行い、トリメチレンエ-テル鎖が、メソゲンの集合に対して、シロキサン鎖に匹敵するほど有効な主鎖であることを見いだした。さらに、このような考えの適用範囲を広げる検討を行っている。これらとの比較で主鎖型液晶性高分子についても、分子不斉による、新しい概念に基づく、コレステリック液晶相の発現の可能性について、検討を進めている。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 川上雄資: "The Regioselectivity Control in Alkylation Reactions of Indoyl Ambident Anion" J.Chem.Soc.-Perkin II. (1990)
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[Publications] 川上雄資: "Structure-Permeability,Glass Transition Temperature Relationships of Oligodimethylsiloxanyl Substituted Polymets" J.Memb.Sci.(1990)
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[Publications] 川上雄資: "Synthesis and Polymerization of Mono p-Substituted Triphenylmethyl Methacrylate" Polym.J.(1990)
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[Publications] 川上雄資: "Liquid Crystalline Polymers with Polyoxetane Main Chain" Polym.Comm.
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[Publications] 川上雄資: "Liquid Crystalline Polymwes with Jacketed Mesogen" Polym.Comm.
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[Publications] 川上雄資: "Synthesis and Polymerizability of Isomerically Trimethylsilyl-substituted Styrene" Polym.J.
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[Publications] 川上雄資: "マクロマ-とグラフト重合体の設計" Mo1. 82-88 (1989)
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[Publications] 川上雄資: "マクロマ-を用いる機能性高分子の合成" 海外高分子研究.
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[Publications] 川上雄資: "高分子膜の気体透過機能設計" 表面. 28. 209-223 (1990)
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[Publications] 川上雄資(分担執筆): "Comprehensive Polymer Science" Pergamon, 44 (1989)
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[Publications] 川上雄資(分担執筆): "マクロマ-の化学と工業" アイピ-シ-, 40 (1989)
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[Publications] 川上雄資(分担執筆): "応用化学全書、分離機能材料" 朝倉書店,
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[Publications] 川上雄資(分担執筆): "高分子機能材料" 高分子学会編,