1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63860005
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 俊彦 大阪府立大学, 農学部, 講師 (30081558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早良 由美子 日本医化器械製作所, 研究員
脇塚 巧 大阪府科学教育センター, 研究員 (70150240)
深田 はるみ 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50128774)
高橋 克忠 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30081532)
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Keywords | 熱量計 / 老化種子 / 種子検定 / 培養組織(カルス) |
Research Abstract |
1.作物の生長に伴って発生するわずかな熱量を測定し得る高感度熱量計を設計・作製して、作物種子の発芽能力の検定(種子検定)に応用することができるかどうかを検討した。 2.0.6%寒天培地5ccを含む直径2cm・高さ7cmの管瓶に種々の作物種子を1粒づつ置床したのち、サーモユニット(直径5cm、深さ8cm暗黒条件)の中に設置して、発芽に伴って発生する熱量を経時的に測定した。一方、発芽テスト終了日に発芽した個体を管瓶からとり出し、芽と根の長さを計測して発生熱量との関連を比較検討した。 3.その結果、発芽能力と発生熱量との間には高い相関々係のあることが分かり、また、作物の種類により発生する熱量にかなりの差異があることも明らかとなった。例えばカイワレダイコンやモヤシマメのように発芽初期に旺盛な生長をするものでは、イネやシコクビエのような初期生長がゆるやかな作物に比べて、発生熱量が比較的高い傾向が認められた。また、同じ種類の作物の中で比較すると、発芽後の生長が良好な種子は不良なものに比べて発芽直後から高い熱量が計測され、時間の経過につれて両者の差は益々大きくなった。したがって、発芽時の発生熱量が高い程その種子の活性が高いこと、すなわち発芽能が旺盛であることが分った。 以上の如く、本研究により熱量計が作物の発芽活性の検定に応用し得ることが世界で初めて実証され、特に、長期間貯蔵した古い種子(老化遺伝子資源)の発芽能力を迅速かつ正確に判定・識別するのに本方法は威力を発揮することが明らかになった。 尚、熱量計の感度をさらに高めることができれば、植物培養組織(カルス)の増殖や形態形成にともなう熱量を測定することが可能になり、一層応用範囲を広げられるであろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Yamaguchi: The 6th International Congress of SABRAO(August 21ー25,1989,Tsukuba,Japan). Proceedings. (1989)
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[Publications] 脇塚巧: 第11回 日本植物組織培養学会 大会・シンポジウム(7月18〜20日,1989,岡山大学). (1989)
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[Publications] Y.Momotani: 大阪府立大学紀要. 41. (1989)