1988 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方における山菜資源の保護・増殖と活用に関する研究
Project/Area Number |
63860007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 隆 東北大学, 農学部, 教授 (10005598)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高樹 英明 山形大学, 農学部, 教授 (30007223)
|
Keywords | 山菜 / ワラビ / ゼンマイ / クサソテツ / ギョウジャニンニク / 根株 / 偽茎 / 温度 |
Research Abstract |
近年食生活の多様化に伴い、蔬菜類も少量、多品目指向となっており、これらのニーズに応えて山菜類の活用も活発に行われている。一方、山菜ブームの影響で、無秩序な乱穫がたたり、品質が低下するとともに、種類によっては枯渇してきており、このまま放置すればいずれ全滅になる恐れのある種類もみられる。 1.主要山菜の自生地養成栽培 未利用山菜資源の活用をはかるとともに、ワラビ、ゼンマイ、クサソテツ(コゴミ)など主要山菜の自生地の発生環境を整備し、自生株を養成して根株の養成をはかり、生育を旺盛にし、積極的に増産を行うため、現在それらの最適条件を明らかにすべく調査を続行している。 2.ギョウジャニンニクの生理生態 ギョウジャニンニクは春の発芽、展葉が他の草本に比較して早く、山形県では積雪の深さがゼロ近くになった3月上旬に普通葉が発芽葉の先端から抽出し始め、その後気温の上昇とともに普通葉は急速に伸長し、茎葉重、偽茎基部径も急速に増大した。花序を除く草丈、茎葉重は5月上旬に最大に達したが、偽茎基部径はその後8月まで漸増した。花茎の伸長は5月下旬の開花期頃まで続いた。普通葉は7月下旬以降急速に枯れ込み、8月に入ると葉身部はほとんど枯死し、夏季の後半から秋冬季にかけて地上部のない状態で過ごした。 葉の伸長適温域は大体13〜21℃で、13℃以下では温度の低いほど葉の伸長は劣り、また、25℃以上では温度の高くなるほど腐敗する個体などが多くなった。17℃下で葉の生長力の季節的変動をみると、1月から3月にかけて急速に高くなり、3〜4月に最大を示し、5月に入るとほとんどゼロ近くまで減少した。その後、葉の生長力は12月まで極めて低水準にとどまったが、1月以降生長力が急速に回復した。
|