1990 Fiscal Year Annual Research Report
B、thuringiensisプロトキシン遺伝子の植物への導入による生物学的防除
Project/Area Number |
63860008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
我彦 広悦 秋田県立農業短期大学, 附属生物工学研究所, 助教授 (10191842)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / プロトキシン遺伝子 / クリスタルプロテイン / アグロバクテリウム / タバコ形質転換体 / 生物学的防除 / 欠失突然変異体 |
Research Abstract |
Bacillus thuringiensisは鱗翅目昆虫幼虫に致死的毒性を持つプロトキシン蛋白を大量に産生する。本研究ではこの遺伝子を植物体へ導入し害虫耐性の植物を作ること、および毒性蛋白質としての機能を知ることを目的とする。昨年までに(1)完全な遺伝子、(2)毒性部位のみを持つ欠失遺伝子、(3)βーグルクロニダ-ゼ遺伝子をそれぞれTiプラスミドバイナリ-ベクタ-pGA580へクロ-ン化した。これをアグロバクテリウムに導入した後、タバコに感染させカナマイシン低抗性タバコを選択した。茎葉分化培地、次に発根培地で培養を進め、完全な植物体にまで分化させた。これらの葉よりDNAを抽出し、それぞれの遺伝子をプロ-ブとしてサザンハイブリダイゼ-ションを行なったところ(2),(3)についてはその存在が確かめられた。今後生物検定、遺伝子産物の同定を行なう予定である。さて、これらクロ-ンは35Sのプロモ-タ-と翻訳エンハンサ-Ωを持っている。βーグルクロニダ-ゼ遺伝子を導入された植物では35Sプロモ-タ-のみを持つ植物よりも20倍以上高い活性を持っていた。従ってトキシン遺伝子産物も多いことが期待される。次にプロトキシン蛋白の理解であるが、in vitroで変異を導入し、カルボキシル未端(C)よりアミノ酸一つづつ少ない蛋白に相当する遺伝子を作成し毒性発揮におけるC未端の重要性を明らかにする。そのうちの一つについては変異の導入に成功した。また毒性に不要とされるC側半分の機能を知るため、この部位を欠損した遺伝子を大腸菌recA遺伝子の強いプロモ-タ-下流につなげ大量の産物を得た。しかし産物は封入体を形成し、アルカリに不溶であり、カイコに対する毒性も低かった。完全長を持つ蛋白はアルカリに可溶であり毒性も存在することから、C側の役割は昆虫幼虫の中腸内においてまず可溶化されるために必要な部位ではないかと思われる。
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Research Products
(1 results)