1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63860032
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
田野 信博 石川県農業短期大学, 農業工学科, 助教授 (60026565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妻鹿 卓司 石川島芝浦機械(株), トラクタ技術部, 課長
中嶋 洋 京都大学, 農学部, 助手 (80172302)
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Keywords | 四輪駆動トラクタ / 旋回性能 / タイトコ-ナ・ブレ-キング現象 / 前後車輪の最適周速度比 / 前車輪のアシスト制御 / 計算機制御 / ボ-ド・コンピュ-タ / 油圧駆動 |
Research Abstract |
本年度はこれまでの研究成果をもとに、(1)前車輪系にHST(静油圧駆動装置)を搭載した実験用トラクタを用いて前後車輪の最適周速度比を把握する。(2)四輪駆動トラクタの旋回時の挙動を運動方程式で記述するとともに、供試トラクタの仕様諸元を代入してシミュレ-ション解析をする。(3)旋回時に前後車輪の駆動力を等しくする前車輪アシスト制御系を製作し、その制御性能を評価することを目的とした。以下、これらの項目について得られた成果の概要を述べる。 1.四輪駆動トラクタの前後車輪間の最適周速度比について 実験用トラクタを用いて前後車輪の周速度比を手動制御することにより前後車軸トルクとの関係を調べた。この結果、前後車軸のトルクがほぼ等しくなる速度比が路面の乱れを少くする最適周速度比と判明し、供試機の場合は1.3〜1.5であった。 2.理論解析によるシミュレ-ション結果について (1)土壌破壊は前車輪で発生し、後車輪は横滑りや縦滑りが小さいためあまり大きな影響を及ぼさない。(2)旋回中心は後車軸延長線上にあり、前車輪駆動力の増大によって後車輪の内側に近づく、(3)タイトコ-ナブレ-キング時には所要動力が大きく、土壌破壊も顕著になる。(4)2輪駆動状態では滑り率は小さいものの、横滑りや旋回半径は大きくなる。(5)前後車輪の駆動力を等しくすることにより、旋回半径と滑りを小さくする旋回が可能である。 3.前車輪アシスト制御系の製作と制御実験結果について 供試トラクタにボ-ド・コンピュ-タを搭載してHSTの斜板角をステッピング・モ-タで制御するシステムを製作し、前後車輪の駆動力を等しくするように前車輪速度を制御した結果、横滑りや縦滑りが小さく、かつ旋回半径を短縮化する理想的な旋回を実現することができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田野 信博: "四輪駆動トラクタの前車輪アシスト効果に関する研究(第1報)ー市販トラクタによるけん引性能並びに重量転移量の解析ー" 農業機械学会誌. 53. 29-37 (1991)
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[Publications] 田野 信博: "四輪駆動トラクタの前車輪アシスト効果に関する研究(第2報)ー試験用トラクタの製作とけん引性能試験ー" 農業機械学会誌. 53. (1991)
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[Publications] 山崎 稔: "四輪駆動トラクタの前車輪アシスト制御に関する研究(第1報)ー旋回時における前後車輪の最適周速度比ー" 農業機械学会関西支部報. 70. (1991)
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[Publications] 山崎 稔: "四輪駆動トラクタの前車輪アシスト制御に関する研究(第2報)ー旋回時における四輪駆動トラクタの挙動解析ー" 農業機械学会関西支部報. 70. (1991)
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[Publications] 山崎 稔: "四輪駆動トラクタの前車輪アシスト制御に関する研究(第3報)ー駆動力制御システムの製作及び制御実験ー" 農業機械学会関西支部報. 70. (1991)