1988 Fiscal Year Annual Research Report
集積回路内蔵型多重微小電極による脳多細胞活動同時記録解析システムの作成と応用
Project/Area Number |
63870006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹治 順 東北大学, 医学部, 教授 (10001885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江刺 正喜 東北大学, 工学部, 助教授 (20108468)
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Keywords | 多重微小電極 / 脳細胞活動 / 大脳皮質 |
Research Abstract |
まず第一に、多重微小電極の設計を行い、4〜32チャンネルの多点記録用電極のパターンを製作した。電極用素材としてはエルジロイ合金を芯材とし、これにガラスコーティングを行った。その表面に、電子ビーム露光法およびプラスマエッチング法を応用して、多重電極およびそのリード部のパターンを形成した。次に電極に接続するスイッチング回路と増幅回路をそれぞれマイクロ化し、電極基部に装着できるように設計し、その製作を行った。多重電極と回路部を、マイクロパターニング法で配線接続を行った。 製作した複合電極の性能テストの結果、記録部の分極特性およびリード部・接続部の電気的絶縁性に問題点のあることが判明し、それぞれに改良を加えた結果、改善することができた。その試作品を使用して、まず予備実験としてラットを用い、記録性能テストを行った。ラット大脳の体性感覚野および運動野に多重電極を刺入して、多点記録法によって複数のニューロンから同時に活動電位の記録を行った。電位記録には一応成功したが、雑音混入の問題点が判明したので、その改善を行った。 一方本実験を行う準備を開始した。まず実験用のサルを訓練するために必要なシステムを作成し、規定の行動および運動を行わせる学習過程を開始した。今後は、多重電極によってサルの運動野から、運動遂行中のニューロン活動を複数個記録し、それらの解析を行うことになるが、そのために必要な実験プロセス制御システムを現在作成することを開始した。
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[Publications] Tanji,J.;Okano,K.;Sato,K.C.: J.Neurophysiol.60. 325-343 (1988)
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[Publications] 丹治順: 日本ME学会専門別研究会「生体時系列とゆらぎ研究会」研究報告集. 2. 13-14 (1988)
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[Publications] 綾皓二郎: 応用情報学研究年報. 13. 103-114 (1988)
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[Publications] 江刺正喜: 医用電子と生体工学. 27. (1989)
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[Publications] 丹治順: "認識し行動する脳" 東京大学出版会, 91-111 (1988)
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[Publications] 丹治順: "新生理科学大系10巻" 医学書院, 72-83 (1988)