1988 Fiscal Year Annual Research Report
連続脳切片を用いた神経突起の三次元再構築のためのステージ連動型描画装置の試作
Project/Area Number |
63870008
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
篠田 義一 東京医科歯科大学, 医学部第一生理, 教授 (60010104)
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Keywords | HRP / 前庭核 / 脊髄 / 小脳 / 細胞内染色 |
Research Abstract |
申請書の設計図に従い、顕微鏡ステージを改良し、従来の光学顕微鏡に取り付け、さらにこのステージを電動で動かすためのステップモーターをステージのX軸、Y軸に取り付け、リモートコントローラーからの信号でパルスを与えモーターを制御するように回路を作製した。それに対応して顕微鏡ステージに追従して動く描画ユニットを備えた大型机を製作した。X軸及びY軸方向へ台を移動させるために、パルスモーターを用い、正確な移動のためボールネジを使用してスムースで遊びの少い移動を行いうる台が完成した。ステージの移動量と台の移動量が一定の比率で正確な比例関係を持ったまま移動させる点で、種々の改良と工夫を加えてほぼ誤差範囲で満足のいく対応関係を維持しながら連動して動くステージと描画ユニットが出来上った。この装置を用いて、単一神経細胞の樹状突起と軸索について再構築を試みたところ、期待通り従来の解析に比べて3〜4倍時間の面で短縮することが出来た。さらに使用法に習熟すれば、5倍程度のスピードアップが可能であろう。本年度は主に前庭脊髄路細胞と小脳核細胞の形態解析をこの試作機を用いて行なった。いずれの細胞もその軸索形態についてこれまで全く報告がなかったが、驚くべき側枝を持ち広範囲に投射域が及んでいることが判明した。このように広い範囲にわたる軸索の再構築を行う上で、本試作機が極めて有効であることが証明された。現在使用しながら改良点をチェックしており、来年度の科研費でさらにそれらの点を改良し、より良く使い易い機械にしたいと思う。
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[Publications] Shinoda,Y.;et al.: Behavioral Brain Research. 28. 59-64 (1988)
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[Publications] 篠田義一: 神経研究の進歩. 32. 398-410 (1988)
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[Publications] Shinoda,Y.;S.Kakei: Neuroscience Letters. 96. 163-167 (1989)
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[Publications] Shinoda,Y.: Progress in Brain Research. 76. 17-27 (1988)
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[Publications] 篠田義一: "臨床耳鼻咽喉科頭頸部外科全書1B(耳)基礎2" 野村恭也, 244-290 (1988)