1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870020
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石井 明 岡山大学, 医学部, 教授 (40012752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 美津子 林原生物化学研究所, 研究参与
安藤 駿作 林原生物化学研究所, 研究課長
太田 伸生 岡山大学, 医学部, 助教授 (10143611)
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Keywords | アレルゲン / アレルギ- / ヒョウヒダニ / ユスリカ / アトピ- / 気管支喘息 / 抗原 / アレルギ-性鼻炎 |
Research Abstract |
昆虫の一種ユスリカは近年の水質汚染の進行で大量発生がみられている。児島湖でもアカムシユスリカが初冬に大発生する。その実態を調査し、抗原を調製し、アレルゲンとしての働きを解析した。皮内反応、抗体検査、ヒスタミン遊離などにより確認した。アレルゲン活性はユスリカの変態に伴って変化し、日本では西ドイツと異なり、成虫それも雌にアレルゲンが多く、西ドイツとを感作の様式が違うことを確認した。細胞性免疫の検討にはTーcell株、Tーcellクロ-ン(CD3^+、4^+、8^-)を樹立した。分子量1.5万以上の比較的大きい分画に反応がみられた。9クロ-ンの反応パタ-ンから少くとも3つの認識部位を認めた。Bーcell認識部位とは異なる。ユスリカの種による反応差があった。小児と成人で反応に差を認めた。ユスリカのアレルギ-について、いくつかの解説を発表した。 ヒョウヒダニについては、粗抗原の他分子量分画に対する液性と細胞性免疫反応を解析した。皮内反応では従来研究の進んでいる低分子分画のみならず、19万までの高分子分画に反応する例があり、IgE抗体でも同様であった。IgGでは全般に高分子分画に反応が強く、IgG4では1.5万と19万の分画に高い反応をする例があった。細胞性免疫反応ではリンパ球で調べると患者に反応が強く、分子量では9.5万分画に反応値が高かった。これはIgE抗体と違っていた。リンフォカイン産生でみても個人により異った像がみられた。プルラン結合抗原の基礎検討を行った。又マウスの粘膜感作モデルを作製した。 昆虫・ダニ由来のアレルゲン・抗原を作製したので、それを使用して環境における存在を測定する酵素抗体阻止法を構築した。屋内塵の中ではヒョウヒダニが多く、屋外大気中にはユスリカ抗原が多く検出され、土壌にも検出された。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 谷崎勝朗他: "アトピ-型喘息におけるユスリカ抗原の病因的意義" アレルギ-の臨床8(14):. 8(14). 33-36 (1988)
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[Publications] 貴谷光他: "気管支喘息におけるユスリカ抗原の免疫アレルギ-学的検討" アレルギ-. 38(1). 41-48 (1989)
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[Publications] S.Suguri et al.: "A year round survey of chironomid midges by light trap collection at Lake Kojima in Okayama Prefecture" Jpn.J.Sanit.Zool.40(1). 33-39 (1989)
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[Publications] A.Ishii et al.: "Chironomid midge and allergy around lake Kojima,Okayama" Roc.Int.Symp.on Mite and Midge allergy. 284-318 (1988)
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[Publications] 石井明他: "住環境とダニアレルゲン" アレルギ-の臨床. 9(7). 477-481 (1989)
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[Publications] 貴谷光他: "ユスリカ喘息に関する臨床的検討ーHD陽性例および陰性例の比較検討" 環境病態研究施設報告. 60. 54-60 (1989)
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[Publications] T.Edahiro et al.: "Analysis of chironomid allergens using specific T cell lines and clones in Humans" Acta Medica Okayama. 43(5). 261-270 (1989)
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[Publications] T.Edahiro et al.: "Analysis of lymphocyte responses to chironomid midge antigens in asthmatic and non-asthmatic individuals" Jpn.J.Med.Sci,Biol.,. 42. 101-110 (1989)
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[Publications] H.Matsuoka et al.: "Developmental change of chironomid allergen during metamorphosis" Allergy. 45. (1990)
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[Publications] J.Y.Kimura et al.: "ELISA inhibition method in detection of mite and chironomid antigens in emvironmental samples of dust,soil and air" Allergy. 45. (1990)
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[Publications] J.Y.Kimura et al.: "Functional characterization of lymphocyte response to fractionated house dust mite antigens(Dermatophagoicles pteronyssinus)in atopic and non-atopic individuals" Immunology. (1990)
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[Publications] 石井明他: "ダニ・昆虫によるアレルギ-疾患" 最新医学. 44(4). 927-930 (1989)
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[Publications] 石井明: "寄生虫・昆虫などによるアレルギ-" 健康と環境. 4. 45-47 (1989)
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[Publications] 石井明他: "ユスリカ喘息" 臨床医. 16(3). (1990)
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[Publications] 石井明: "ダニアレルギ-(分担)木村郁郎編「アレルギ-の新しい理論とその展開」" 医薬ジャ-ナル社, (1990)
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[Publications] 石井明: "ユスリカ・アレルギ-(分担)木村郁郎編「アレルギ-の新しい理論とその展開」" 医薬ジャ-ナル社, (1990)
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[Publications] 石井明他: "気管支喘息などのアレルゲンとしてのユスリカ類の環境における動態(分担)" 日産科学振興財団研究報書11号, (79-88) (1989)