1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870029
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
川井 啓市 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 恭平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60079754)
渡辺 能行 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00191809)
中村 圭也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50198206)
青池 晟 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00117871)
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Keywords | 膵癌 / α-GTP / 集団検診 / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
ヒト膵癌には、正常膵とは異なる膵癌特異抗原、あるいは膵癌由来α-GTPの存在することが判明しているが、これらの抗原に特異的なモノクロ-ナル抗体の作製を試みた。すなわち剖検により入手した膵癌より得られたα-GTPでBalb/cマウスを免疫した。方法としては、sialic acid-rich typeとSialic acid-poor typeの2種類の正常膵α-GTPと膵癌由来α-GTPでBalb/Cマウスを3回免疫し、その後血清中にα-GTPに対する抗体の産生を確認した。そしてα-GTPに対する抗血清の存在が確認されてから、免疫Balb/cマウス脾細胞とX-63骨髄腫株との間で細胞融合を行った。ハイブリド-マのスクリ-ニングは、最初はELISA法で行ったが、その後はヒト膵癌組織と膵癌株化細胞に対する免疫組織化学により行った。以上のα-GTPに対するモノクロ-ナル抗体の作製法と全く同一の方法により、ヒト膵癌株化細胞であるParc-1を免疫源としてモノクロ-ナル抗体の作製も行った。現在は、上記の方法により得られた膵癌特異的α-GTPあるいはParc-1に対するモノクロ-ナル抗体で正常膵組織とは反応しない膵癌特異的ハイブリド-マをスクリ-ニングしている最中である。 また将来的に膵癌の血清学的診断を行うために、関連病院より膵癌患者の血清を収集中である。地域における成人病検診において、膵癌の集団検診を予定しているので、各種の成人病検診に際しても血清を収集中である。したがって今後は、上記の方法により得られたモノクロ-ナル抗体を用いて、より感度、特異性の高い膵癌の血清学的診断を目指したいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 杉本学,山口希,渡辺能行,谷野輝夫,川井啓市: "Lectin affinity chromatographyによるヒト膵癌培養細胞由来α-glutamyl transpeptidaseの分析" 医学のあゆみ. 133. 399-400 (1985)
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[Publications] Nozomi Yamaguchi,Keiichi Kawai,Tsukasa Ashihara: "Discrimination of gamma-glutamyltranspeptidase from normal and carcinomatous pancreas" Clinica Chimica Acta. 154. 133-140 (1986)
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[Publications] Keiichi Kawai,Yoshiyuki Watanabe: "Descriptive and Analytical Epidemiology of Pancreatic Cancer" Frontiers of Gastrointestinal Researrh. 12. 105-116 (1986)
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[Publications] 小笹晃太郎,東あかね,林恭平,厳善〓,渡辺能行,山口希,青池晟,川井啓市: "地方自治体における生涯健康管理のためのデ-タベ-スの開発" 京都府立医科大学雑誌. 97. 231-236 (1988)
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[Publications] 渡辺能行,山口希,青池晟,川井啓市: "膵がんの血清学的診断法の集団検診への応用" 病態生理. (1990)