1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870033
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
本間 生夫 昭和大学, 医学部, 教授 (20057079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯倉 洋治 国立小児病院, アレルギー科, 医長
五十部 章代 昭和大学, 医学部, 助手 (60176261)
渋谷 まさと 昭和大学, 医学部, 助手 (80187418)
岩瀬 みち子 昭和大学, 医学部, 助手 (80119164)
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Keywords | イリタント受容器 / 肺伸展受容器 / 高頻度刺激 / 喘息 |
Research Abstract |
現在まで種々のネブライザーが開発され、気管支喘息など、多くの呼吸器患者で、薬物の気道内噴霧法として使用されている。気管支喘息患者では気管支収縮が起こっている発作中に気管支拡張剤を噴霧し、気管支平滑筋を拡張させている。気管、および、気管支の収縮あるいは拡張は気道平滑筋自身の反応の他、神経性、あるいは、反射性に起こる場合がある。この反射性拡張を起こす系をネブライザーに組み込み、より効果的に気道の拡張を引き起こす方法を確立することを目的とした。 気道には二種類の機械的受容器が存在している。一つはイリタント受容器であり、この受容器を介した反射は気道の収縮を起こす。他は肺伸展受容器であり、この受容器を介した反射は気道の拡張を起こす。したがって、肺伸展受容器の活動を高めれば、反射性に気道は拡張する。両受容器は機械的な刺激に反応するが、三角波状の高頻度空気振動によく反応することがわかった。また、それぞれの受容器は振動周波数により反応特性が異なることもわかって来た。イリタント受容器は30Hz以内の比較的低頻度の刺激に対して肺伸展受容器は50Hz以上の高頻度の刺激に対して優位に反応する。その優位性はウサギの腹筋から記録された呼息性活動にも現われ、高頻度刺激を加えると呼息活動の増大が認められる。しかし、低頻度では出現しない。この刺激頻度による両受容器の優位性は、すべての個体で同一ではない。アルテナリアで感作した、喘息ウサギにおいては、正常なウサギと比べ、その優位性はイリタント受容器の方に傾いている。すなわち、喘息ウサギではイリタント受容器による反射が、かなり高頻度刺激まで優位に働くことがわかった。これらの基礎的研究から、呼気終末圧を高めることなどをとり入れ、肺伸展受容器が優位に働くようなヒト用の高頻度サーボネブライザーの開発を進めている。
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[Publications] Kanamaru,A.;Sibuya,M.;Isobe,A.;Iwase,M.;Homma,I.: J.Physiol.Soc.Japan. 50. 583 (1988)
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[Publications] Sibuya,M.;Kanamaru,A.;Isobe,A.;Iwase,M.;Homma,I.: Tohoku Medical Journal. (1989)