1990 Fiscal Year Annual Research Report

乾燥血液および尿濾紙を用いたペルオキシゾ-ム病スクリ-ニングシステムの開発

Research Project

Project/Area Number	63870041
Research Institution	Gifu University
Principal Investigator	折居忠夫岐阜大学, 医学部, 教授 (20045339)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	鈴木康之岐阜大学, 医学部附属病院・小児科, 講師 (00163014) 山口清次岐阜大学, 医学部附属病院・小児科, 講師 (60144044)
Keywords	ペルオキシゾ-ム病 / スクリ-ニング / 極長鎖脂肪酸 / ジカルボン酸
Research Abstract	本研究はペルオキシゾ-ム病のスクリ-ニング法と早期診断法の開発を目的として、生化学的、細胞生物学的手法を用いて解析を行なったものである。以下に主な成績を述べる。 (1)血液中スフィンゴミエリン構成極長鎖脂肪酸分析と乾燥血液ろ紙によるペルオキシゾ-ム病のスクリ-ニングシステムを確立した。これにより将来のより広範なスクリ-ニングが可能であることを示した。 (2)尿中有機酸分析ではジカルボン酸の増加、セバシン酸/アジピン酸比の高値、2ーヒドロキシセバシン酸の検出がスクリ-ニングとして有用であることが明らかになった。 (3)直腸粘膜組織において、βー酸化系酵素蛋白の検出、プラスマロ-ゲン合成系酵素活性の測定、ペルオキシゾ-ムの形態学的解析が可能であることを明らかにし、早期診断に有用であることを示した。 (4)培養線維芽細胞、培養羊水細胞において、βー酸化活性の測定、間接蛍光抗体染色によるペルオキシゾ-ムの形態的解析が可能であることを明らかにし、出生前診断に有用であることを示した。 (5)スクリ-ニングされた症例の分析により、従来の報告にない新たなペルオキシゾ-ム病を発見した。相補性解析の結果、ペルオキシゾ-ム欠損症には強い遺伝的異質性が存在することを明らかにした。ペルオキシゾ-ム病の研究は近年緒についたばかりであり、スクリ-ニング法を確立して早期に診断する体制を整備することは、今後、本疾患の診療を進歩させる上で極めて重要であり、本研究の成果が少なからず貢献できるものと考える。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] Y.Suzuki,S.Yamaguchi,T.Orii,M.Tsuneoka,Y.Tashiro: "Nonspecific lipid transfer protein (sterol carrier proteinー2) defective in patients with deficient peroxisomes" Cell Structure and Function. 15. 291-298 (1990)
[Publications] Y.Suzuki,N.Shimozawa,S.Yajima,S.Yamaguchi,T.Orii,T.Hashimoto: "Effects of Sodium 2ー[5ー(4ーchlorophenyl)pentyl]oxiraneー2ーcarboxylate (POCA) on fatty acid oxidation in fibroblasts from patients with peroxisomal diseases" Biochemical Pharmacology.41. 453-456 (1991)
[Publications] M.Kubota,E.Kurihara,M.Yonezawa,Y.Mizuno,K.Tamagawa,K.Komiya,Y.Suzuki: "Adrenoleukodystrophy associated with cerebral arteriovenous malformation" Acta Paediatrica Japonica. 32. 543-547 (1990)
[Publications] 前田卿子、寺田明彦、村上吉男、寺部浩司、大木茂、服部誠、松本延男、横田貞記、杉山成司、佐久間徹、下澤伸行、山口清次、鈴木康之: "Neonatal adrenoleukodystrophyの1例" 日本小児科学会雑誌. 94. 1869-1876 (1990)
[Publications] 清水信雄、山口清次、折居忠夫: "ジカルボン酸尿症を認めた症例の有機酸プロフィ-ルの検討" 日本小児科学会雑誌. 94. 2023-2029 (1990)
[Publications] 清水信雄、山口清次、鈴木康之、下沢伸行、矢嶋茂裕、折居忠夫: "Zellweger症候群の尿中有機酸所見" 小児科. 32. 117-123 (1991)
[Publications] 鈴木康之、下澤伸行、山口清次、折居忠夫(分担執筆): "新小児医学大系年刊版1990B pp117ー134" 中山書店, 288 (1990)
[Publications] 鈴木康之(分担執筆): "胎児・新生児の神経学" メディカ出版, (1991)

1990 Fiscal Year Annual Research Report

乾燥血液および尿濾紙を用いたペルオキシゾ-ム病スクリ-ニングシステムの開発

Principal Investigator

折居 忠夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (20045339)

Research Products

[Publications] Y.Suzuki,S.Yamaguchi,T.Orii,M.Tsuneoka,Y.Tashiro: "Nonspecific lipid transfer protein (sterol carrier proteinー2) defective in patients with deficient peroxisomes" Cell Structure and Function. 15. 291-298 (1990)

[Publications] Y.Suzuki,N.Shimozawa,S.Yajima,S.Yamaguchi,T.Orii,T.Hashimoto: "Effects of Sodium 2ー[5ー(4ーchlorophenyl)pentyl]oxiraneー2ーcarboxylate (POCA) on fatty acid oxidation in fibroblasts from patients with peroxisomal diseases" Biochemical Pharmacology.41. 453-456 (1991)

[Publications] M.Kubota,E.Kurihara,M.Yonezawa,Y.Mizuno,K.Tamagawa,K.Komiya,Y.Suzuki: "Adrenoleukodystrophy associated with cerebral arteriovenous malformation" Acta Paediatrica Japonica. 32. 543-547 (1990)

[Publications] 清水 信雄、山口 清次、折居 忠夫: "ジカルボン酸尿症を認めた症例の有機酸プロフィ-ルの検討" 日本小児科学会雑誌. 94. 2023-2029 (1990)

[Publications] 清水 信雄、山口 清次、鈴木 康之、下沢 伸行、矢嶋 茂裕、折居 忠夫: "Zellweger症候群の尿中有機酸所見" 小児科. 32. 117-123 (1991)

[Publications] 鈴木 康之、下澤 伸行、山口 清次、折居 忠夫(分担執筆): "新小児医学大系年刊版1990B pp117ー134" 中山書店, 288 (1990)

[Publications] 鈴木 康之(分担執筆): "胎児・新生児の神経学" メディカ出版, (1991)

折居忠夫岐阜大学, 医学部, 教授 (20045339)

[Publications] 清水信雄、山口清次、折居忠夫: "ジカルボン酸尿症を認めた症例の有機酸プロフィ-ルの検討" 日本小児科学会雑誌. 94. 2023-2029 (1990)

[Publications] 清水信雄、山口清次、鈴木康之、下沢伸行、矢嶋茂裕、折居忠夫: "Zellweger症候群の尿中有機酸所見" 小児科. 32. 117-123 (1991)

[Publications] 鈴木康之、下澤伸行、山口清次、折居忠夫(分担執筆): "新小児医学大系年刊版1990B pp117ー134" 中山書店, 288 (1990)

[Publications] 鈴木康之(分担執筆): "胎児・新生児の神経学" メディカ出版, (1991)