1990 Fiscal Year Annual Research Report
合成ショ-トペプチドを用した各種糖輸送担体のRIA法の開発
Project/Area Number |
63870046
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 芳知 東京大学, 医学部, 助手 (70175256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤沼 安夫 朝日生命, 糖尿病研究所, 所長
浅野 知一郎 東京大学, 医学部, 医員
柴崎 芳一 東京大学, 医学部, 助手 (80196419)
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Keywords | 糖輸送担体 / RIA(ラジオイムノアッセイ) / 合成ペプチド |
Research Abstract |
本年度は、糖輸医担体のサブタイプであるGLUT2とGLUT4に対するラジオイムノアッセイ系を組み立て、すでに確立したGLUT1に対するRIAと比較検討し、さらにヒト糖尿病患者や、実験的糖尿病動物などでの応用を行った。ラットGLUT2のC末端部に対する抗体は、ラット脂肪細胞や骨格筋に存在するGLUT4やGLUT2と交又反応を示さず、又、ラットGLUT4のC末端部に対する抗体はラット肝やヒト赤血球の糖輸送担体と反応しなかった。 ヒト赤血球には膜蛋白の約7%という非常に豊富なGLUT1が認められ、数μlの血液で充分測定が可能であった。糖尿病患者と正常者ではその赤血球糖輸送担体の量に有意差を認めず、又、糖尿病状態の指標としての空腹時血糖順やHbArc値とも相関を認めなかった。このように赤血球のGLUT1は糖尿病状態による変動を受けなかったが、他の臓器では代謝状態による変動を受け、確立したRIAにてその変動が確認できた。我々はラット肝のGLUT2がストレプトゾトシン糖尿病ラットでは増加することをウエスタンブロッティングにて示したが、我々が確立したGLUT2のRIAにて、この変動が定量的に確認できた。また、ラット脂肪細胞をインスリンで刺激するとGLUT4は細胞内部のプ-ルから細胞膜上に移動するが、確立したRIAにて、GLUT4の細胞膜分画での増加と、細胞内膜分画での減少が定量的に確認できた。 以上のように、多くの検体で定量的に糖輸医担体が測定できるというRIAの利点が生かされたRIA法が開発できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oka,Y.,Asano,T.,Shibasaki,Y,Lin,JーL.,Tsukuda,K.,Katagiri,H.,Akanuma,T.and Takaku,F.: "Cーterminal truncated glucose transporter is locked into an inwardーfacing form without transport activity." Nature. 345. 550-553 (1990)
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[Publications] Tsukuda,K.,Asano,T.,Lin,JーL.,Katagire,H.,Ishihara,H.,Takaku,F.and OKa,Y.:"Peptideーbased radioimmunoassay specific for CLUT1 glucose transporter." Diabetes. (1991)