1988 Fiscal Year Annual Research Report
新国産免疫抑制剤を臓器移植臨床に応用するための研究
Project/Area Number |
63870049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 洋治 筑波大学, 臨床医学系外科, 教授 (30009112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 武徳 千葉大学, 医学部第二外科, 講師 (80114255)
深尾 立 筑波大学, 臨床医学系外科, 助教授 (50091921)
土肥 雪彦 広島大学, 医学部第二外科, 教授 (90034024)
雨宮 浩 国立循環器病センター研究所実験治療開発部, 部長 (80009563)
園田 孝夫 大阪大学, 医学部泌尿器科, 教授 (80028290)
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Keywords | 15-deoxyspergualin / FK-506 / 臓器移植 / 免疫抑制 |
Research Abstract |
研究目的:新国産免疫抑制剤15-deoxyspergaulin(DSG)とFK-506の2剤の、毒性、拒絶反応反応抑制効果、作用機序と代謝経路の検討を行い、それらが臨床使用可能か否か判定することを目的としている。 研究成果:1.拒絶反応抑制効果:DSGはイヌ腎移植の急性拒絶反応の寛解効果がある(雨宮、深尾)。DSGはニホンサルの移植腎生着延長効果がある(雨宮)。DSGはイヌ腎移植において、移植後DSG短期間投与でも拒絶反応の出現を遅延させ、移植腎長期生着させる(土肥)。DSGはラット同所性肝移植の生着延長させる(土肥)。イヌ腎移植において、FK506の血中濃度と拒絶反応抑制効果が相関する(落合)。 2.毒性、副作用:DSGはイヌ実験で食欲不振、下痢などの消化器症状を起こす(雨宮、深尾、土肥)。サルではそれらの副作用は少ない(雨宮)。FK506はイヌ実験にて食欲不振、体重減少を起こすが、心血管系への障害は認めない(落合)。DSGはラット骨髄造血幹細胞総数を増加させるが、有核細胞数は減少させる。それらの反応は投与中止により回復する(滝田)。 3.作用機序、in vitroの効果:DSGもFK506もヒトマクロファージの貧食能を阻害しない(深尾)。サルマクロファージのIL-1産生能はDSGは抑制しないが、FK506は抑制する。その貧食能を両者ともに抑制するが、多形核白血球の貧食能をDSGは亢進させる。サルNK細胞活性を両者ともに抑制しない(寺尾)。ヒト赤血球に溶血斑を作る単球産生に対し、DSGは抑制効果を示すがFK506は示さない(園田)。 今年度の研究結果では、2剤の毒性は比較的少なく、免疫抑制効果が高いこと、in vitroでの種々の作用が明らかとされた。次年度はさらに研究を深め、サルを使った毒性、免疫抑制効果の確認も行ってゆく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Seiichi Suzuki: Transplantation. 46(5). 669-672 (1988)
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[Publications] Junpei Itoh: J.Antibiotics. 41(10). 1503-1505 (1988)
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[Publications] K.Nakajima: Transplantation. 45(6). 1146-1148 (1988)
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[Publications] C.W.Hewitt: Transplantation. 46(3). 482-483 (1988)