1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63870053
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
辻 隆之 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00075764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須磨 幸蔵 東京女子医科大学, 第二病院, 教授 (00075186)
斎藤 浩一 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教務職員 (00205668)
田村 俊世 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10142259)
豊島 健 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40014146)
戸川 達男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
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Keywords | 高圧液相型人工肺 / ECMO / ガスフロ-メ-タ / 差圧自動制御装置 |
Research Abstract |
本研究は、臨床で用いることのできる、(1)安価で、(2)長時間使用しても蛋白の漏出が全くなく、(3)抗凝固剤の量も少なくてすみ、(4)ガス交換と同時に血液透析もでき、(5)酸素ガス付加機能をガスキャリア液を高圧酸素化することで実現し、(6)その運用が自動化で省力化されている、多機能型EVAホロ-ファイバによる液相型人工肺による呼吸補助(ECMO)システムを開発することを目的とした。 平成元年度において、以下の点を行った。 1.高圧液相型人工肺への回路設計 ガスキャリア液回路を高圧化し、溶存酸素を増し、酸素ガス付加機力を増強した。脱酸素用人工肺や、高圧に耐える回路、限外ろ過用人工腎などの回路設計や配置およびその改良を行った。 2.ガスフロ-メ-タの導入 最近本研究者らの研究所において開発された任意の圧力でガス流量を正確に制御できるガスフロ-メ-タを高圧酸素ガス回路に使用した。 3.高圧液相型人工肺によるin vitro基礎実験での検討 上述の回路を製作し、水および牛血を用いて脱酸素水および脱酸素血を連続的に作成し本人工肺に灌流し、ガス交換回路内の高圧を変化させた時のガス交換能をコンピュ-タで解析し、水分移動(リザ-バ量)の特性を把握した。 4.差圧自動制御装置の開発 雑犬を用い、動物実験を行って差圧制御装置システムの作動を検討した。すなわち、ファイバ内外の差圧を前もってダイヤルで任意に設定し、ガスキャリア流量を制御することによってその差圧を維持できるマイクロコンピユ-タ制御装置を制作し、それが作動することを確認した。 5.上記の実績を論文および学会で発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 辻隆之: "人工肺" 高分子. 38. 740 (1989)
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[Publications] 辻隆之: "高圧型シリコ-ンホロ-ファイバ人工肺システムの検討" 医用電子と生体工学. 27. 421 (1989)
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[Publications] 辻隆之: "高圧多機能型人工肺システムの開発" 医器学. 60. 29-33 (1990)
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[Publications] 辻隆之: "高圧気液両相型人工肺内における酸素ガス輸送の検討" 第1回バイオエンジニアリングシンポジウムー計測と力学 生体への応用ー論文集. 900. 205-206 (1990)
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[Publications] 辻隆之: "エチレンビニ-ルアルコ-ル共重合体ホロ-ファイバ液相型人工肺による長期呼吸補助システムの開発に関する実験的研究" 医用電子と生体工学. 27. 422 (1989)
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[Publications] 辻隆之: "医用材料:医療を支える先端技術" 第3回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会, 361 (1989)