1988 Fiscal Year Annual Research Report
経皮電力伝送型完全埋込み式モータ駆動全人工心臓システムの開発研究
Project/Area Number |
63870054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
阿久津 哲造 国立循環器病センター, 研究所, 副所長 (40150221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 裕幸 国立循環器病センター, 研究所・人工臓器部, 研究員 (20183551)
木下 正之 国立循環器病センター, 研究所・人工臓器部, 研究員 (00183301)
妙中 義之 国立循環器病センター, 研究所・人工臓器部, 室長 (00142183)
松田 武久 国立循環器病センター, 研究所・生体工学部, 部長 (60142189)
高野 久輝 国立循環器病センター, 研究所・人工臓器部, 部長 (60028595)
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Keywords | 埋込み式モータ駆動全人工心臓 / デザイン / 経皮エネルギー伝送システム |
Research Abstract |
本年度は、1)モータ駆動型人工心臓の開発のために、日本人の核磁気共鳴断層撮影像から求めた寸法を基にして全人工心臓をデザインし、暫定的に空気圧で駆動することにより、臨床用モータ駆動全人工心臓のプロトタイプの試作と評価を行ない、また、2)完全埋め込み式の全置換型全人工心臓を開発する上で必要不可欠な、経皮エネルギー伝送システムの再評価と改良を行なった。 1)については、日本人健常人と、拡張型心筋症例の胸部核磁気共鳴断層像を基にデザインした全人工心臓を試作し、動物実験で解剖学的適合性について実験的に検討した。また、大血管および心房と人工心臓を結合するコネクターのデザインも同時に改良した。体重53kgの子牛を用いた慢性動物実験では、胸腔内への装着は容易で実験動物は術後23日目現在元気に生存している。この実験により、臨床用モータ駆動全人工心臓のデザイン方法の優秀性とポンプの基本的な形状が決定された。 2)では、自然心臓に近い拍動型のポンプをモータなどによって駆動する場合、供給されるエネルギー量は拍動に依存して大きく変化するため、エネルギー供給装置であるスイッチングレギュレータから見ると、ポンプの収縮・弛緩に応じて負荷抵抗が大きく変化するという事実を考慮し、経皮エネルギー伝送システムの再検討を行なった。具体的には、エネルギー伝送コイルの設計、駆動電圧の安定化、バッテリの充放電量の制御のためのシステムの改良を行ない実験的に評価した。その結果、伝送コイルを2組使用した場合、直列接続にすると効率も高く、温度上昇が極めて小さいことを明かとし、また、ポンプの収縮・弛緩に伴う負荷変動に対する駆動電圧の安定化の方式を改善し、応答速度を高めることに成功した。バッテリの充電方式として、定電流充電とトリクル充電を併用する方法について実験を行ない、良好な結果を得た。
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