1989 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットを用いた膝関節靭帯損傷診断装置の開発-3次元変位計測装置の応用-
Project/Area Number |
63870061
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塚本 行男 北里大学, 医学部, 教授 (40050398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 伸治 三菱電気(株), 名古屋製作所, 部長
藤江 裕道 北里大学, 医学部, 助手 (20199300)
南沢 育雄 北里大学, 医学部, 講師 (10146459)
二見 俊郎 北里大学, 医学部, 助教授 (70104536)
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Keywords | ロボット / 膝関節 / 靭帯損傷診断 / 動揺性 / 回転中心 / 摩擦係数 |
Research Abstract |
現在獲得されているロボット技術を用いれば、膝靭帯損傷診断がより革新的になると考え、膝動揺性試験にロボットを応用することを発案した。昭和62年度より研究を開始し(科研費交付は昭和64年度より)、現在にいたる。 予備実験、および動物実験の結果を踏まえて、臨床応用用の膝靭帯損傷診断装置を構成した。試験装置の駆動部分を三菱電機製多関節ロボット(改良型)、知覚部をユニバ-サルフォ-スセンサ、知能部をパ-ソナルコンピュ-タで構成した。また、これらハ-ドの機能を最大限有効利用するための基本ソフトを多数作成した。診断機能として、動揺性測定機能、回転中心測定機能、摩擦係数測定機能をもたせた。 1 予備実験について 高分子材料をもちいて、ヒト膝と同形の膝モデルを作成した。モデルに4つの靭帯モデルを備え付けた。そして以下の実験、(1)ACLモデルを弛緩させたときの動揺性測定(前後方測定、内外反測定)、(2)回転中心の測定、(3)摩擦試験の測定を行なった。その結果、(1)ACLが断裂すると前方引き出し時の剛性が著しく低下すること、(2)回転中心は膝が屈曲するにつれて、後上方顆に移動すること、(3)膝モデルの摩擦係数が0.3であること、が判った。これらの結果から、本試験装置が膝力学診断にきわめて有効であることが判った。また、くりかえし実験を行なうことにより、試験装置の安全性を確認した。 2 臨床実験について 健常膝および靭帯損傷膝を用いて、動揺性試験を行なった。その結果、ACL損傷が前方動揺時の剛性を著しく低下させることを確認した。 現在、下肢固定具を改良中である。できあがり次第、臨床実験、とくに回転中心測定、摩擦系数測定を行なう予定である。
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[Publications] 藤江裕道: "ロボットによる靭帯損傷の診断" 臨床スポ-ツ医学. 6(12). 1309-1314 (1989)
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[Publications] 藤江裕道: "膝力学試験ロボットの試作" 整形外科バイオメカニクス.
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[Publications] 塚本行男: "関節メカニズムと生体工学" 理学療法学. 14(2). 93-102 (1987)
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[Publications] 藤江裕道: "多関節ロボットの膝関節動揺性試験への応用" 整形外科バイオメカニクス. 9. 105-110 (1987)
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[Publications] 塚本行男(分担): "バイオトライボロジ-関節の摩擦と潤滑" 産業図書, 206(29-61) (1988)