1988 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成蛋白を添加したアテロコラーゲンを応用した新しい人工骨の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
63870078
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 昭二 東京医科学歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 恵 東京医科学歯科大学, 歯学部, 助手 (00134734)
名倉 英明 東京医科学歯科大学, 歯学部, 助教授 (80013960)
宮田 暉夫 高研, 日本医用高分材料研究所, 所長
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Keywords | BMP / アテロコラーゲン / ハイドロキシアパタイト / 骨誘導 / 人工骨 / 複合材 |
Research Abstract |
BMPの顎骨欠損部への臨床応用を目的とした場合、生体適合性の優れたアテロコラーゲン(AC)あるいはハイドロキシアパタイト(HA)と複合することの有用性を既に報告したが、さらにこれら生体材料との混合方法および複合形態の検索を移植操作性の点も含め行った。その結果、ラット皮下移植ではAC-BMP混合の場合、凍結乾燥後圧縮成形を行った複合体で最も良好な骨誘導能が認められた。AC-HA-BMP混合の場合も、凍結乾燥後圧縮成形を行った複合体で骨誘導能が著明であった。そこでさらに、混合後、凍結乾燥圧縮成形を行ったAC-BMP複合体およびAC-HA-BMP複合体をラット頭蓋骨欠損部に移植しそれらの骨形成能、骨修復能を検討した。その結果、両者ともにきわめて早期より旺盛な新生骨の形成が観察され、移植後4週で欠損部は骨性に閉鎖され、凍結乾燥処理を行っていないゲル状のAC-HA-BMP混合移植例と比較して、骨形成速度および骨形成量ともにさらに優れた骨形成能・骨修復能を有することが示された。以上の結果より、アテロコラーゲンはBMPの担体としてきわめて優れた生体材料であるが、混合形態はゲル状よりも凍結乾燥し圧縮した複合体の方が骨誘導能は著明に優れ、また移植操作性がより向上しかつ移植材料への形態付与も可能であると考えられた。次に大型動物(日本猿)を用いた移植実験を行った。下顎骨下縁に10×7×6mmの骨欠損を作成しAC-HA-BMP複合体を移植した。4週後に摘出した結果、骨髄側からの骨の新生は認められたが、ラットの場合のような完全な骨の修復は認められず、これは移植動物の種差あるいは移植部位の差によるものと考えられた。 BMPの臨床応用を考えた場合、ヒトBMPの使用が望ましいと思われる。そこでヒト抜去歯牙よりBMPの精製を試みた。現在のところラット皮下の移植実験では十分な骨誘導が認められている。
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Research Products
(1 results)