1989 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインの臨床的応用におけるデリバリ-システムの研究
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63870095
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 昌宏 電気化学(株), 中央研究所, 研究員
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Keywords | リンホトキシン / イムノリポゾ-ム / インタ-フェロンガンマ / トランスフェリンレセプタ- |
Research Abstract |
1.ホスファチジルエタノ-ルアミンにヒトメラノ-マに対するモノクロ-ナル抗体を結合させ、ホスファチジルコリン、コレステロ-ルを1:9:10の比に混ぜヒト組かえ型リンホトキシンおよびヒトインタ-フェロンガンマあるいはマウスインタ-フェロンガンマを封入させたイムノリポゾ-ムを作成した。ヌ-ドマウス背部皮下にA375細胞10^6を移植後、2日目から週に2回上記イムノリポゾ-ムを投与した。ヒトリンホトキシンは単独で用いた場合イムノリポゾ-ムに封入し投与すると有意に腫瘍増殖を制御した。この効果は同時にイムノリポゾ-ム内にマウスインタ-フェロンガンマを封入させた場合さらに増大した。一方リンホトキシンとヒトインタ-フェロンガンマを組み合わせた場合にはこの様な効果は認められなかった。インタ-フェロンガンマは種特異性を有する事が知られているが我々の用いている系が腫瘍細胞としてはヒトの腫瘍を用い宿主はマウスを用いていることを考えあわせるとヒトリンホトキシン+マウスインタ-フェロンガンマ封入イムノリポゾ-ムが宿主の免疫系を介して抗腫瘍効果を発揮していると考えられた。 2.抗A375抗体のかわりに更に汎用性の高い抗トランスフェリンレセプタ-、およびトランスフェリンを用いイムノリポゾ-ムを作成した。トランスフェリンレセプタ-は増殖の盛んな細胞に多く発現していることが知られているがこの様にして作成したイムノリポゾ-ムが様々な腫瘍細胞と特異的に結合することが判明した。そこでこの様にして作成したイムノリポゾ-ムにLTを封入しin vivoでの腫瘍に対する効果を調べた。腫瘍としてはマウスザルコ-マMeth Aを用いたがこの様にして作成したイムノリポゾ-ムの効果は認められず網内系へトラップされたのではないかと考えられた。用いる抗体として別の腫瘍特異的抗原を認識する抗体を更に検討する必要があると考えられる。
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