1988 Fiscal Year Annual Research Report
srcファミリー遺伝子産物に対する特異的阻害剤の検索とその抗癌活性の評価
Project/Area Number |
63870106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 英夫 東京大学, 理学部, 助教授 (60111449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 洋文 協和醗酵, 東京研究所, 主任研究員
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Keywords | Staurosporine / チロシンキナーゼ / p60^<v-src> / 阻害剤 / 微生物アルカロイド / プロティンキナーゼC |
Research Abstract |
本年度は、我々がすでに見い出しているタンパク質リン酸化酵素の強力な阻害剤であるStaurosporineを修飾し、チロシン残基に特異的なタンパク質リン酸化酵素に選択性の高い阻害剤の検索に主眼をおいて以下の結果を得た。 1)Staurosporineと同骨格、同構造をもつ類縁の微生物アルカロイド、ならびにそれを化学修飾した誘導体、計46種をこれまでに調製した。 2)これらをp60^<src>キナーゼを指標にチロシンキナーゼ阻害活性を分析した所、18種類においてIC^<50>が100ng/ml以下の阻害効果を示した。しかしそのいずれもがAキナーゼ、またはCキナーゼに対してほぼ同等のIC^<50>での阻害効果を示した。 3)これまでの検索でStaurosporineと類縁の化合物からチロシンキナーゼ特異的な阻害剤が得られなかったことから、他の構造、骨格をもったカビから抽出した12種の化合物に対し、2)と同様の検索を行っているが、いまだ目的とする阻害剤は得られていない。しかしこの中の一つでペリレンキノンの骨格をもつVCN1028は、αー、βー、σー、型のCキナーゼすべてに阻害活性を示し、チロシンキナーゼ、Aキナーゼ、Gキナーゼには、ほとんど影響を与えないことから、各キナーゼのグループごとに作用する阻害剤の存在を示唆する点からも、今後の検索にあかるい展望を与えた。
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Research Products
(1 results)