1989 Fiscal Year Annual Research Report
AIDSモデル動物としてのヒトCD4遺伝子トランスジェニックマウスの作成
Project/Area Number |
63880012
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桂 義元 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (90027095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 健一 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20151441)
藤本 真慈 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60199370)
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Keywords | AIDS / モデル動物 / CD4遺伝子 / 遺伝子治療 / トランスジェニックマウス / アンチセンスRNA |
Research Abstract |
本研究の目標はヒトCD4遺伝子を用いてトランスジェニックスマウスを作ることであった。一部の研究グル-プに先を越されたとはいえ、われわれも所期の目的をほぼ達成している。しかし、CD4トランスジェニックマウスは、研究計画作成時に考えていたようにエイズウイルス(HIV)の感染モデル動物として有効でないことが外国の研究者によって示された。したがって、ここでCD4トランスジェニックマウスの作成に限って報告するのでは学問的な意義を欠くことになる。そこで、われわれがHIV感染防御を目的として行っている仕事全体について、トランスジェニックマウスも含めて報告する。 われわれの目的はエイズの遺伝子治療の基礎的研究である。すなわち、HIV耐性遺伝子を導入した造血幹細胞をエイズ患者へ移入すればそれに由来するT細胞あるいはマクロファ-ジはHIV耐性になると考えられる。目的の第一歩としてHIVのtat、rev、envを含む2.7kb部分のアンチセンス遺伝子をヒトT細胞株CEMへ導入した。その結果、遺伝子導入を受けたCEM細胞はHIVに耐性になることが示された。現在、このアンチセンス遺伝子を骨髄の幹細胞へ効率よく導入する方法を開発中である。本研究の目的は、CD4トランスジェニックマウスを利用して、骨髄幹細胞へアンチセンス遺伝子を導入し、HIV耐性を確認することであった。しかし、CD4トランスジェニックマウスがHIVに感染しない以上、方針を変更せざるを得ない。最近HTLVー1ウイルスを感染させたウサギはHIV感染性であることが示されている。したがって、CD4トランスジェニックウサギを作成すれば、良いモデル動物になる可能性があると考え、現在これを試みている。これが成功すればアンチセンス遺伝子を幹細胞へ導入してその機能も解析できるものと期待している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Katsura,Y.: "Quantification of T cell progenitors for thymic T cells in various organs." Eur.J.Immunol.18. 897-903 (1988)
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[Publications] Ogawa,M.: "Stepwise progression of B cell malignancy occurred in a bone marrow stromal cellーdependent preーB cell clone." Leukemia. 13. 282-288 (1989)
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[Publications] Okazaki,H.: "ILー7 promotes thymocyte proliferation and mantains immunompetent thymocytes bearing αβ and γδ Tーcell receptors in vitro:synergism with ILー2." J.Immunol.143. 2917-2922 (1989)
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[Publications] Watanabe,Y.: "Analysis of the development of T cells by transferring precursors into cultured fetal thymus with a microinjector." Thymus. 13. 57-71 (1989)
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[Publications] Gyotoku,J.: "Inhibition of human immunodeficiency virus replication in a human T cell line by antisense RNA expressed in the cell."
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[Publications] Isobe,K.: "Carbohydrates mediate tissue typeーspecific membrane activity for Thyー1 alloーantibody response." Int.Immunol.1. 90-93 (1989)