1990 Fiscal Year Annual Research Report
酸素センサ-を用いる食品の品質評価指標測定器の試作研究
Project/Area Number |
63880016
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
荒川 信彦 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40017223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 実 (株)モリテックス研究所, 研究所長
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 家政学部, 講師 (80154524)
大塚 惠 お茶の水女子大学, 家政学部, 講師 (20175243)
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Keywords | 鮮度判定推数K値 / 複合酸素固定化膜 / 多孔質ナイロン膜 / 酸素センサ- / 食肉加工品 / 微生物生菌数 / カタラ-ゼ陽性菌 |
Research Abstract |
食品の鮮度を正確に把握し、品質を評価することは、食品衛生のみならず食品の加工特性・保存性・経済性・実用性等を知る上で最も重要なことである。本年度においてはまず平成元年度に開始した魚肉等の鮮度判定指数K値を求めるためのヌクレオチド測定用酵素の固定化法の検討を進めた。活性基を有する多孔質ナイロン膜にキサンチンオキシダ-ゼ、ヌクレチオドホスフォリラ-ゼの両酵素を固定化する際、酵素液に適量のグルタルアルデヒドを添加した効果により、反復使用できる複合酵素固定化膜を得た。この酵素膜を酸素センサ-に装着使用することにより、K値の測定がより簡易に、経済的に行える見通しを得た。 次にK値測定の応用として、ハム、ソ-セ-ジ等の食肉加工品についてJAS規格品の等級とK値との相関性を検討したところ、本測定値が製品の加工工程における熟成度の評価に有効とみられる結果を得た。 さらに、前年度による新たに検討を開始したカタラ-ゼ活性の測定に基づく食品微生物の生菌数の推定法については数種の酵母菌を培養し、その環境因子である酸素供給度や炭素源のカタラ-ゼ活性に及ぼす影響について検討を加え、過酸化水素を基質とした反応系における溶存酸素量の増加からカタラ-ゼ陽性菌の概数がきわめて迅速に推定できるとを確かめた。なお、本研究遂行のために、酸素センサ-の感度校正、試料液溶存酸素除去、基質(H_2O_2)添加時期の報知、カタラ-ゼ活性の計算及び表示等を自動化したコンピュ-タ内臓の酸素測定装置を試作した。本装置は、カタラ-ゼ活性測定を行う上に大変便利であり、今後、菌数、K値、アスコルビン酸等の演算機能をこれに付加することにより、微生物学的測定に限らず、食品固有の生化学的品質評価情報も容易に得られる多機能の測定システムにまで発展できるものと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大橋 実・押谷 五月・大塚 惠・荒川 信彦: "酸素センサ-による大腸菌および酵母の生菌数の迅速測定法の開発" 食品衛生学雑誌. 32. (1991)
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[Publications] 大橋 実: "水産物の鮮度計測の現状と展望" 月刊食品流通技術. 19,No.5. 9-19 (1991)
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[Publications] 大橋 実・荒川 信彦: "酸素電極法による還元型アスコルビン酸の定量技術" ファインケミカル. 20,No.5. 14-23 (1991)