1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63880022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 幸夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10112062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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Keywords | 基質小胞 / アルカリホスファターゼ / 軟骨細胞 / 石灰化 |
Research Abstract |
生体組織における無機イオン結晶化のメカニズムは未だ不明であるが基質小胞と呼ばれる生体二重膜で囲まれた小胞構造が関与している。基質小胞には、高レベルのCa^<++>結合性アルカリホスファターゼ活性が局在しており、Ca^<++>とリン酸の取り込みを促がすと考えられている。ところで、我々は最近、遠心管内で培養したウサギ成長板軟骨細胞が、生体内のプログラムにしたがって、増殖、成熟、肥大化して最終的には顕著に石灰化することを報告した(kato5,Pro.Natl Acad.Sci.USA.1988)。しかも、本石灰化モデル系の培養液中には大量の基質小胞が遊離状態で存在していることを見い出した(加藤ら、日本骨代謝学会にて発表、1988、東京)。この培養液中の基質小胞を超遠心法(3万×g、60分)にて分離して、アルカソホスファターゼ活性を測定すると至適PH10.0の典型的な組織非特異型酵素が得られた。また、その比活性も、培養細胞塊 より約10倍高く、成長軟骨全体の、ホモジェネートと比較しても10〜50倍もの高レベルを示した。そこで基質小胞を出発材料として、ブタノール抽出、Mono Qおよびphenylsuperose(FPLC)にてアルカリホスファターゼを精製した。Mono Qおよびphenylsuperoseクロマトグラフィーにてそれぞれ300倍および100倍比活性が上昇した。なお、この純化したアルカリホスファターゼはレバミソール(Ki=3×10^<-5>M)、varadate(Ki=10^<-6>M)およびLーhomoarginine(Ki=3×10^<-4>M)にて阻害された。しかし、アルカリホスファターゼの蛋白質としての回収率は低くて、ソポソームに組み込む実験には至らなかった。現在、アルカリホスファターゼの精製の回収率を改良すべく努力している。一方、我々は遠心管培養系の石灰化期にはCa^<++>結合性蛋白質が出現することを見い出しているので、この蛋白質の性質をも検討している。
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[Publications] Y.Kato: J.Cell Biol.104. 311-319 (1987)
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[Publications] Y.Hiraki: Mol.Cell.Biochem.76. 185-193 (1987)
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[Publications] Y.Kato: J.Cell.Physiol.133. 491-498 (1987)
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[Publications] Y.Hiraki: Biochim.Biophys.Acta. 969. 91-99 (1988)
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[Publications] Y.Kato: Endocrinology. 122. 1991-1997 (1988)
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[Publications] S.Nishikawa: Protein Engineering. 1. 487-492 (1987)
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[Publications] Y.Kato: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85. 9552-9556 (1988)
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[Publications] H.Inoue: J.Cel.Physiol.(1989)
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[Publications] M.K.Owada: J.Cell.Physiol. (1989)
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[Publications] M.Iwamoto: Biochim.Biophys.Res.Commun.(1989)
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[Publications] 佐藤克彦: 日本骨代謝学会雑誌. 6. 10-12 (1988)
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[Publications] 加藤幸夫: 日本骨代謝学会雑誌. 7. 16-20 (1989)
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[Publications] 大前博昭: 歯科基礎医学会雑誌. 30. 646-651 (1988)
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[Publications] 加藤幸夫: THE BONE. 2. 29-33 (1988)
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[Publications] 須田立雄: THE B0NE. 2. 12-25 (1988)
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[Publications] Y.Kato: "Effects of antiinflammatory drugs on soft agar growth of rabbit articular chondrocytes.In Seminars in Arthritis and Rheumatism.Vol.18 Suppl.1." Science Press, (1989)