1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63880031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
椙崎 弘幸 京都大学, 化学研究所, 助手 (60135598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 助手 (80202498)
高浪 満 京都大学, 化学研究所, 教授 (10027013)
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Keywords | II型制限酵素 / HgaI制限修飾係 / DNAシ-クエンシング / 5ーメチルシトシンメチラ-ゼ / 非対称塩基配列の認識 |
Research Abstract |
HgaI制限修飾系の酵素は非対称の塩基配列(5')GACGC(3')(3')CTGCG(5')を認識し,HgaIエンドヌクレア-ゼはその認識配列よりそれぞれ5塩基および10塩基下流でDNAを二本鎖切断する。HgaI制限修飾系遺伝子を構成するHgaIエンドヌクレア-ゼおよびHgaI修飾酵素をクロ-ニングする目的でHaemophilus gallinauonの染色体よりプラスミドのHgaIエンドヌクレア-ゼに対する耐性を指標にHgaI修飾活性を示す3.4kbのHindIIIDNA断片をクロ-ニングし,塩基配列を決定した。そのDNA断片の上流と中流に構造上類似の蛋白をコ-ドする二つの遺伝子が存在し,下流には別の遺伝子が存在する。それぞれの遺伝子をpUCベクタ-のlacプロモ-タ-の下流にクロ-ニングしてin vivoでのHgaI修飾活性を調べたところ,上流と下流に位置する遺伝子がそれぞれ単独でHgaI修飾活性を示すことから,HgaI制限修飾系では二つの遺伝子が修飾活性に関与していると考えられる。そこで,それぞれの遺伝子産物を大腸菌に大量発現させ,遺伝子産物を精製し,デュ-プレックス形成法およびMaxamーGilbert法により修飾を受ける塩基を同定したところ,上流に位置する遺伝子はCTGCG鎖の内部のCを,中流に位置する遺伝子はGACGC鎖の内部のCをそれぞれメチル化する活性をもっていることが判った。二つのHgaIメチラ-ゼのアミノ酸配列を他のメチラ-ゼのアミノ酸配列と比較してみると,5'ーチチルシトシンメチラ-ゼに共通して見つかるアミノ酸配列のモチ-フが二つのHgaIメチラ-ゼのアミノ酸配列中にも見られること,およびMaxamーGilbert法によるメチル化塩基の分析でメチル化された塩基のバンドがヒドラジン分解により消失することから,二つのHgaIメチラ-ゼは5ーメチルシトシンメチラ-ゼの一種であると推定される。なお,下流に位置する遺伝子はHgaIエンドヌクレア-ゼの遺伝子と思われ,現在その構造解析を進めている。
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