医学・生物学用超音波マイクロスペクトロスコピーシステムの実用化に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63880033
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 中鉢 憲賢 東北大学, 工学部, 教授 (20006224)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 元直 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006094) ; 三野宮 利男 東北大学, 工学部, 教務職員 ; 櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 助教授 (50108578)
• Keywords: 超音波マイクロスペクトロスコピーシステム / Biological Tissue Characterization / 反射型超音波顕微鏡 / 高分解能画像 / 干渉超音波顕微鏡 / 定量計測 / 平面超高周波超音波 / V(z)曲線解析法 / 粘弾性特性

Research Abstract

本研究は、医学や生物学の研究分野において重要なBiological Tissue Characterizationに適用できる超音波計測シテムの実現を目指し、形態的・定量的計測機能を有機的に結合させた新しい超音波マイクロスペクトロスコピーシステムを開発することを目的とする。
63年度の研究成果を要約すると以下の通りである。
1.機械走査型超音波顕微鏡による高分解能画像計測法及び音響特性の定量計測法:(1)反射型超音波顕微鏡において、機械走査部の安定化のため、高速走査部の改良を行うとともにデジタル制御の三軸ステージを導入した。これにより、任意の位置設定と安定な位相検出が可能となり、また100MHz〜1GHz帯の点集束ビームを使用し、1〜10μmの高分解能画像が安定に得られる。(2)超音波信号の振幅と位相を同時に検出するための電気回路の改修を行った。これにより、コンピュータを介して試料の微視的領域における音響特性をより定量的に解析することが可能となった。
2.干渉超音波顕微鏡による音響特性の定量計測法:得られる干渉縞パターンから音速の定量計測、或は表面状態のTopographicな定量評価を行うための画像解析法について基礎的検討を行った。
3.平面超高周波超音波を用いた高精度粘弾性特性測定法:この方法により、音速、減衰、音響インピーダンスおよび密度が同時に決定できることを明らかにした。さらにこの方法に平面開口凹面トランスジューサを導入することによって、生体軟組織のミクロ的な音響特性を充分な精度で計測できることが分かった。
4.V(z)曲線解析法による音響特性の定量計測法:本方法による歯の音響特性測定においては、エナメル質に対しては漏洩弾性表面波、象牙質に対しては漏洩擬似縦波について解析すればよいことが分かった。

Research Products

• [Publications] N.Akashi;J.Kushibiki;N.Chubachi;F.Dunn: Acoustical Imaging. 17. (1989)
• [Publications] H.Okawai;M.Tanaka;N.Chubachi;F.Dunn;K.Honda: Acoustical Imaging. 17. (1989)
• [Publications] S.Kasahara;K.Yoshida;J.Kushibiki;N.Chubachi: Acoustical Imaging. 17. (1989)