1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63890013
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉 晴夫 帝京大学, 医学部, 教授 (20082076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 公郎 日本電子株式会社, 研究部, 研究員
須藤 和夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (20111453)
大岩 和弘 帝京大学, 医学部, 講師 (10211096)
茶圓 茂 帝京大学, 医学部, 講師 (60142452)
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Keywords | 電子顕微鏡 / ガス雰囲気試料室 / ミオシンフィラメント / 筋収縮 |
Research Abstract |
昭和63年度の実績をもとにして平成元年度に行った研究結果は、以下のように要約される。 1.ガス雰囲気試料室中でのミオシンフィラメントの観察 電子顕微鏡下に、ウサギ骨格筋から抽出したミオシンから再構成したミオシンフィラメントを、無染色の生きた状態で観察し鮮明な写真をとることに成功した。さらに上記ミオシンフィラメント頭部に、金粒子(直径10ナノメ-タ)を含む標識物質を附着させ、標識物質がミオシンフィラメントから側方に突出したミオシン頭部に局在することに成功した。 2.ミオシンフィラメントにATPを与える装置の開発 上記のミオシン頭部を標識したミオシンフィラメントにATPを与えた際の構造変化を電子顕微鏡下に直接観察できれば、筋収縮の分子的機構が一挙に解決する可能性が考えられる。本年度は以下のような試みを行った。 (1)Caged ATPの光分解によるATP投与 近年開発されたcaged ATPをレ-ザ-光照射により光分解して、生成するATPをミオシンフィラメントに作用させる試みを行った。しかし、雰囲気試料室を構成する炭素薄膜がレ-ザ-光により容易に破壊されることがわかったので、この方法は用いられない。 (2)電気泳動によるATPの投与 雰囲気試料室中にATP電極を組み込み,これに通流することによりミオシンフィラメントにATPを作用させることに成功した。現時点での実験は雰囲気試料室を電子顕微鏡にマウントしない予備実験であり、平成2年度には本法を用いてミオシンフィラメントのATPによる構造変化の電子顕微鏡下の観察を行う予定である。
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