2015 Fiscal Year Annual Research Report
環状シロキサンを元素ブロックとしたハイブリッドネットワークポリマー薄膜の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00719
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70333903)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環状シロキサン / 元素ブロック / ヒドロシリル化反応 / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
4官能性環状シロキサンを元素ブロックとして2官能性モノマーとのヒドロシリル化反応により、溶媒可溶なポリマーの合成に成功している。環状シロキサンの特徴である多官能性を利用して、環状シロキサンモノマーに残っている未反応の機能団による機能化が可能である。今年度はカテコール基を未反応部位に導入することを検討した。前駆体であるオイゲノールとポリマーとの反応性を調べたところ、未反応の機能団のうち、ほぼ90%という高い割合で機能化が可能であることが明らかとなった。9-ビニルアントラセンの場合、6%とという低い置換率が得られた結果と比較すると反応性が著しく向上しており、アリル基というメチレンスペーサーが備わった機能団により反応効率がよくなったのではないかと考察している。得られたポリマーを酸処理することで保護基をはずし、カテコール含有環状シロキサンポリマーを得ることに成功した。得られたポリマーは粘着性のポリマーであり、ガラス基板や金属表面、さらには汎用ポリマー表面への均一コーティングが可能であることをディップ法により確認した。原子間力顕微鏡により膜厚を調べたところ、約40 nmと求められた。このポリマー薄膜を銀ナノ粒子水溶液中に浸漬すると、銀ナノ粒子が均一に吸着した表面を得ることができた。銀ナノ粒子水溶液の濃度を調整することで、銀ナノ粒子の表面数密度を制御できることを走査型電子顕微鏡により確認できた。得られた銀ナノ粒子配列を利用して非常に高い表面増強ラマン散乱を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した環状シロキサンポリマーの高分子反応性について一定の評価を行うことができた。銀ナノ粒子吸着など機能性環状シロキサンポリマーとしての可能性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる今年度は、環状シロキサンポリマーの機能化に関し、ヒドロシリル化反応以外についても検討が行えればと考えている。また、表面増強ラマン散乱に有効であることを示すことができており、光学材料という観点で環状シロキサンポリマー薄膜やコーティングを評価する予定である。さらに班間・班内共同研究を推進する。
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Research Products
(16 results)