2015 Fiscal Year Annual Research Report
表面官能基化ZrO2ナノ微粒子を用いた高透明ハイブリッド材料の新展開
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00721
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川口 正剛 山形大学, 理工学研究科, 教授 (00204694)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有機無機ハイブリッド材料 / 屈折率制御 / 波長分散 / 光学樹脂 / 封止材 / ナノ分散 / 高分子微粒子 / ヘテロ凝集法 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機・無機ハイブリッド材料は文字通り,有機物と無機物をナノレベルまたは分子レベルで複合化させた高機能性の先端材料であり,様々な分野で注目されている。有機・無機ハイブリッド化技術は,有機材料の熱的・機械特性の向上,電気特性・気体の透過性の制御,および光学特性特に屈折率や分散の制御を可能とすることが期待される。しかしその一方で,10nm以下の無機ナノフィラーをポリマーマトリックス中に高含有率かつナノ分散する方法は必ずしも確立されていないのが現状である。 本研究では,水中でナノ分散している透明なZrO2ナノ微粒子分散液を表面処理剤として炭素数が4以上のカルボン酸などを用い,トルエン/水/アルコールによる新規表面処理化方法によって,凝集することなくトルエン中にナノ分散する手法を開発した。この方法によって表面疎水化処理されたZrO2ナノ微粒子は,乾燥後も様々な有機溶媒やモノマーに自発的に溶解(分散)可能であり,ビニル系モノマーの重合によって熱硬化性の高屈折率かつ高透明なハイブリッドバルク材料を得るための基礎的理念を明らかにした。 また,表面機能団としてビニル基,アリル基、ヒドロキシ基,アゾ基,エステル基,ジチオエステル基,チオール基,エポキシ基,アミノ基,アミド基、ハロゲン基などを導入したZrO2微粒子の合成する手法を確立した。表面官能基化された様々のZrO2を用いて,ポリウレタン,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリカーボネート,シリコン樹脂などとのナノハイブリッド化や熱可塑性ハイブリッド創製に必要な基礎的要素技術の確立,チオール-エン重合やチオール-イソシアナート重合などクリック化学を利用したハイブリッド化も行った。さらに,ミニエマルション重合法によってナノ微粒子が100nmサイズの高分子微粒内にナノ分散したハイブリッド微粒子の合成と高性能かつ高透明なラテックス膜を合成する方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、順調に進んでいる。各種表面官能基を有するZrO2微粒子の合成,それを用いた各種高分子とのハイブリッド化,およびハイブリッド微粒子の合成法について精力的に研究を行い、それらの基礎的理念を確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた各種の研究成果をもとに,最終年度では最もハイブリッド化が困難である、ポリチオウレタンとシリコン樹脂とのハイブリッド化の達成と熱可塑性ハイブリッド樹脂の開発を行い,研究の完成を目指す。
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Research Products
(32 results)