2015 Fiscal Year Annual Research Report
超分子π電子積層工学を駆使した創発的機能材料の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00741
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森末 光彦 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 助教 (40403357)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ポルフィリン / 近赤外発光 / 超分子ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
亜鉛ポルフィリンとこの配位子を交互配列したポルフィリンアレーは、自己相補的な配位結合形成によって逆並行型の二重鎖を形成する。このポルフィリンアレー二重鎖は剛直な直線状構造である。この二重鎖形成を駆動力として、超分子ポリマーの構築を行った。この結果、二重鎖の剛直な直線状の構造と非常に高い安定性を反映して, 数マイクロメートルオーダーでの直線状構造を構築することができた。このように、二重鎖形成型ポルフィリンアレーが分子サイズをはるかに超えるサイズ領域において、形状制御を行うための有効な構成ユニット「元素ブロック」であることが明らかとなった。この結果は従前の合成分子が制御できなかったサイズ領域において、分子の形状・機能を制御できるサイズ領域が広がったことを意味している。 またこれと同時に, 粘稠液体となるポルフィリンユニットを「元素ブロック」として連結していくと, 分子量増加にともなってガラス転移点が上昇することがわかった。金属ポルフィリンは巨大なπ平面を有する骨格であり, 固体でアモルファス状態を形成する極めて特異な特徴を示す分子骨格であることを見出した。しかも、このガラス状態の薄膜は、近赤外波長領域で効率的に発光することがわかった。 さらにジチエノメタロールをパイ共役スペーサーとして亜鉛ポルフィリンを連結すると、キノイドークムレン型の共役で広いパイ電子系を形成できることがわかった。とりわけ、励起状態においてキノイドークムレン型共役の寄与が非常に大きいことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前にポルフィリンアレーを薄膜状態で超分子重合すると近赤外波長領域で発光を示すことを明らかにしていたが、近赤外発光は超分子重合しないでも観察される事が明らかとなった。いずれも、通常のポルフィリン錯体では観察されない現象であり、現在この現象の解明を進めているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
固体状態のポルフィリンが近赤外波長領域で発光するメカニズムについて明らかにする。
|
Research Products
(8 results)