2015 Fiscal Year Annual Research Report
高イオン伝導を達成するための有機シェル/無機コアナノ粒子の最密充填配列手法の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00742
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 伸一 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (90215682)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 振動外場 / 高イオン伝導 / 元素ブロック / 最密充填 / 小角X線散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高イオン伝導を達成するための方法として、イオン伝導性を有する有機シェル/無機コアナノ粒子を薄膜状に成形し、薄膜中で粒子を空間的に最密充填配列させることを目標とする。われわれはこれまでに、球状ミクロドメインを形成するブロック共重合体に振動外場を印加することによって、BCC配列を規則化させることができることを見いだしている。これを発展させ、振動外場印加によって最密充填化させることを目的とした。 用いた試料は、高いイオン伝導性を有するイオン性液体の集積化と高分子材料への固定化(すなわち、イオン性液体をフィルムに加工できるような材料にすること)を目指して作製されたものである。これはA01班の中建介教授(京都工芸繊維大学)らによって世界で初めて作製された。このデンドリマー型の有機/無機ハイブリッド粒子の最表面にはイオン伝導性の置換基が結合されている。有機シェル部は、POSS骨格からイオン伝導性の末端置換基までの距離を自在に変化させるための役割を担っており、その距離の最適化によってイオン伝導度の向上が目論まれた。しかしながら、期待されたほどのイオン伝導性が得られなかった。これまでの我々の研究によって、さらなるイオン伝導性の向上には、このようなナノパーティクルの最密充填化が必須であるという結論に達した。そこで本研究では、本来は自発的に体心立方(BCC)格子を形成するようなソフトナノパーティクル(POSSだけなら堅い粒子であるが、これに有機シェル部がハイブリッドされているため、柔らかい粒子としての特徴が発現する)を最密充填化させる(すなわち、面心立方(FCC)格子配列を実現させる)ために、周期的振動ひずみを加えるなどの振動外場を印加することを試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
体心立方格子(BCC)配列や面心立方格子(FCC)配列の定量的な解析は、小角X線散乱(SAXS)測定が最適である。すなわちBCCの場合は、反射ピークが散乱ベクトルの大きさq [=(4π/ λ)sin(θ/2);λはX線の波長でθは散乱角]の相対比が1:√2:√3:√4: ...に見られるのに対して、FCC場合は、反射ピークは、1:√(4/3):√(6/3):√(8/3):...で表される位置に出現する。すなわち、1次ピークに加えて少なくとももう一つ高次のピークが見られたら、BCCとFCCの区別はつく。規則性が高いほど、より多数の高次ピークが観測される。より定量的な解析にはモデル散乱関数の計算を行う。 (1)伸長・収縮、(2)交流電場、(3)周期的な交互温度勾配の印加を行いながら、処理直後の試料の状態をSAXS測定 によって明らかにする。この目的のために装置をビームラインに持ち込む。
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