2015 Fiscal Year Annual Research Report
無機ナノ粒子元素ブロックを用いるキラル高分子ハイブリッドナノ空間材料の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
15H00769
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (30190101)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポリマーナノチューブ / 磁性ナノ粒子 / ポリチオフェン / キラル / 物質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
軸不斉を有するビナフチル基およびレドックス活性を有するビオローゲンを導入したモノマー (R)- or (S)-VLTBを合成した。ポーラスアルミナテンプレート細孔内で、E = +0.65 V (vs. Ag/Ag+) の定電位を60分間印加することによりキラルポリマーナノチューブ (R)- or (S)-VLTB-PNTを合成し、走査型電子顕微鏡 (SEM) および透過型電子顕微鏡 (TEM) で観察した。キラルポリマーナノチューブ (R)- or (S)-VLTB-PNTは、ヌクレオシド三リン酸 (ATP, GTP, CTP, UTP) を不斉認識するとともに、DNA (24 mer, 40 mer)を内包し不斉認識する。 磁性とレドックス活性を有するポリマーナノチューブの内部空間を利用した物質の認識と界面輸送および放出について検討する目的で、常法によりターチオフェン誘導体を保護基に用いてマグネタイトナノ粒子 (MP) [(S)- or (R)-MNP] を合成した。 さらに、レドックス活性を有するビオローゲン誘導体 [(S)- or (R)-VIO] を合成し、 この二つをポーラスアルミナテンプレート細孔内で電解共重合することにより, 磁性とレドックス活性を有する ハイブリッドポリマーナノチューブ [(S)- or (R)-VMP] を合成した。合成した (S)-VMPは磁石を用いることで, テンプレートを保持させたまま有機層と水層間を界面移動させることに成功した。さらに, ビオローゲンの静電相互作用を利用してピラニンの内包にも成功した。この二つの特性を利用して, 生体分子の輸送と放出について成功した。また、このハイブリッドナノチューブはキラルであることより不斉認識能も有している。ナノチューブを用いた水層―有機層の二相間での物質輸送は初めての例である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って順調に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイブリッドポリマーナノチューブの内部空間を利用した選択的不斉認識能についてさらに結果を蓄積するとともにナノ空間を利用した不斉触媒反応の開発に力を注ぐ。
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Research Products
(7 results)